最初は、平凡な村娘だった。 しかし、物心がつくごとに炎の魅力に取り憑かれていき、最終的には放火を繰り返した末、魔女として火刑に処される。 けれど、火刑の中で彼女は――焔に溶けるように、消えていった。 楽しげな、高笑いだけを残して。 そうして気付けばメイド服。 どこかの魔王の意思で蘇ったことは感覚的に理解できるが、肝心の魔王がいやしない。 焔のメイドの放浪旅は、そうして始まった。