「カリオペ君の種族はとんでもない構造だね。主も驚いてたよ」 ふとエグリゴリはそう言う。何の縁だったかは忘れたが、俺はコイツと一緒に過ごしている。 「あぁ?その主とやらが俺たち生物を作ったんじゃないのか?なんで疑問に思ってんだよ」 そうぶっきらぼうに言い放ってやると、エグリゴリは穏やかな瞳を丸くし、カラコロと笑う。俺としてはなんでそこまで笑うのか不明だった。アイツした返答は、俺の想像した内容とは全く違った。 「ふーん、君がまさか信心深いなんて思わなかったよ。……なんて、返答になってないか。主が誕生する前から、君たちの種族が居たと聞かされていたからね」 「へぇ、神様も万能じゃねぇんだな。アイツら防具がねぇと、すぐ迫害する奴らの集まりなのに。上手いこと統治してくりゃ、昔の俺としては喜ばしいんだがな」 適当に思ったことをボソリと呟く。すると、同時に重々しい空気が訪れる。 ふとどんな顔をしているのだろうと、俺は気になって顔を上げる。アイツはクシャリと顔を歪ませていた。 「君は……そうだな。そんなことを言わせたかったわけじゃないんだ」 「別に気にすんなよ。俺の種族の構造は、取り憑くまでは黒い霧の塊だ。生命維持とかどうしてんだって話か」