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【癒し手/睡夢の花】ニムフィーア

ニムフィーアは元野生のアルラウネである。 野生のアルラウネは花粉や根、美しい容姿を利用し 野生動物や人間を狩る危険な魔物と看做される。 ニムフィーアはエンシェント(長命種)に分類されるアルラウネである。 長い年月を生き魔力を貯め込んだ彼女は水と光さえあれば生きていける身体となっていた。 狩りをし、栄養を補給する必要が無くなった彼女であるが 狩りの手段の一つであった相手を花粉で眠らせる行為が大好きだった。 他者が自分の元で無防備にグースカ寝るのが堪らなく大好きなのだ。 ある日満身創痍の一人の冒険者が自分の前に現れた。 最近現れた近くのダンジョンから逃げ帰る途中で、ここまで迷い込んだのだろうか? 久方ぶりの人間に「眠らせ欲」が辛抱堪らなくなったニムフィーアはとりあえず眠らせ、自分の下に引き寄せた。 傷が痛むのかウンウン唸るのが気に入らず、傷を治してやるとスースー眠ってくれた。 しばらくして目が覚めた冒険者は慌てて逃げ出したが、ニムフィーアは人間の寝顔が見れて満足であった。 似たような事が3度4度続き、しばらく経ったあと冒険者達から接触があった。 人間を助ける不思議なアルラウネであり、捕食行動も行わない種であるか見張られていたらしい。(後々聞いた話では3度目4度目は偶々ではないのかの確認のため、離れたところに護衛を用意しワザと傷ついた状態で近づいたそうな) 人を癒すのが好きなのだと勘違いされ、近くに人がいたら癒してやって欲しいと頼まれる。 別に人を癒すのが好きなのではないが、眠り顔を見れるのは大好きなので快諾した。 ニムフィーアは建前を覚えたのだった。 そのうち変わった冒険者から言葉の読み書きを教わり、癒し手という職がある事を知った。 人を看病し癒す職らしいが、人の寝顔見放題とか天国か!と思い立ったニムフィーアはその職に付きたいと冒険者に詰め寄った。 厳しい試験が有るそうだが、冒険者を助けた実績と魔法の才能、何より長い寿命が有る。 時間をかけて勉強し試験を合格することが出来た。 土地を離れ流浪の癒し手となると決めた彼女は手始めに近くの、冒険者と関わる切っ掛けになったダンジョンを攻略した。 ダンジョンの秘宝を旅費の足しにしようとしたのだが、そこで長年の相棒となる秘宝【疲労顕在の鈴】を手に入れる。 いまニムフィーアの癒し手としての生が始まる!