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要塞たるパシオ&光纏うエルヴィス

パシオ:切れ長の目に長い金髪が特徴的な聖騎士団長。真面目で優しく、民からの信頼も厚い。 かつての任務で、自身の選択で部隊を全滅させた過去があり、その罪悪感から聖なる騎士として自己犠牲を貫く。この過去を知る者はエルヴィスのみで、彼女にとっては興味深い「人間らしい弱さ」に映る。 また、彼の重厚な鎧には、かつて彼の命を繋いだ仲間の魔力が秘められており、その力の残滓で魔法が発動している。 エルヴィス 落ち着いた雰囲気の聖女。実は悠久の時を生きる超常的な存在。人外でありながら、「聖女」として信仰されることに対しよく思っていない。彼女にとって信仰は意味を持たず、むしろ人間たちの執着が不可解で「長命でさえあれば誰でもいい」と考えている。 基本的に何事にも無関心だが、パシオだけは例外で彼女に「知りたい」と思わせる。彼の献身的な行動と一途さに興味を持ち、密かに彼の成長や苦悩を観察している。 薄暗い礼拝堂で、パシオは膝をつき祈っていた。その背後で、エルヴィスが冷静な眼差しで彼を見つめている。 「…また、自分を責めているの?」エルヴィスが静かに口を開く。パシオは落ち着いて「俺が守りきれなかった者たちに対する償いだ」と答えた。 パシオは一日の終わりに必ずここで祈る。かつて、任務で仲間を失った彼は、誰よりも自分を責めていた。 「過去にとらわれているのは、聖騎士の仕事なの?」彼女は真っ直ぐな口調で問いかける。人の弱さや後悔には興味がない彼女だが、パシオはその言葉に含まれた微かな感情の揺れに気づいた。 「…俺は、守るべき者を守るために戦うだけだ」彼の瞳には決意が宿っていたが、心の奥底には消せない痛みが残っていた。 それを見たエルヴィスは、普段とは少し異なる表情を浮かべて彼の隣に座る。言葉を紡ぐことはなかったが、彼の罪悪感に寄り添うように、そっと手を重ねる。 「エルヴィス…」驚くパシオに、彼女はただ、「人間って、不思議ね」とつぶやく。彼女の冷たくも温かな慰めに、パシオは初めて心の重荷が少しだけ軽くなった気がした。