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死神【救世者】

毛子を殺した。呆気なく彼女は死んだ。毛子の心から流れ出てくる感情からは何も感じられない。空虚な器のようだった。何も満たされないまま毛子はその魂を離した。 …… ………… 「…助けられたのなら…」 ただ己を責め続けた。助けられたはずの目の前の命が鮮明に記憶に蘇る。何度も何度も脳裏に蘇る。焼きつかれた後悔の念、自身の無力さ。蘇る度に思考が巡る。己の強さに問う──── 「──────助けたい…」 「……もう一度やり直せるなら。」 「救世者となって──────────」