その夜も、忘れられた墓地では不死たちが音に乗って揺れていた。 HAKABAがミイラのハンドクラップをBPMに刻ませ、棺桶スピーカーから重低音が響く。 そこへ――異質なシルエットが現れた。 神父だった。 ローマンカラーの白い襟。 肩に下げた十字架。 だがその顔にはサングラス、手にはマイク。 「この土地は、教会に所有権がある。だが──信仰も音も、魂を揺らした方が勝ちだろう?」 HAKABAが骸骨の顎をカクカク動かす。 「……なら、説法よりノリで決めようぜ?」 訪れた神父は名乗った。 “マイク・エクソシズム” ──異端の福音ラッパー神父である。 《GRAVE RHYME SHOWDOWN 開幕》