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【防の大魔王】ディファン=レリラータ

昔、彼女は力を持たず、寧ろ非力であった。 その力は子供の人間にすら力比べで負ける程で、そのせいで人間と魔族両方から嫌われていた。 非力なのは彼女の出生が関係しており、魔族の父親と人間の母親から産まれている。このことから、魔族にしては身体能力は低く、人間にしては肉体がデカいと避けられ、虐められていた。そんな娘を案じ、両親は魔族・人間共々から隠れて生活をしていた。 とある日、父親がお金を稼ぐために山を降りて行った日のことである。 その日は魔法の修行をするために、彼女は山の頂点付近に行っていたという。 日も暮れ、家に帰ってきた。鍵が閉まっていたので、母親に向けて声を上げた。 しかしいくら声を上げても、返ってくるのは静かな沈黙だけ。...何の音もしない。 「嫌な予感がする」 その一心から扉を魔法でこじ開け、家の中を探す。居間、台所、寝室...。 そして、部屋の隅に何か痕があることに気付いた。赤黒い痕だ...。 それを辿り、真っ暗な屋根裏にたどり着いた。 開ける前から、もう自分は気付いていたのかもしれない。 そこにあったのは 赤いゴミのようになっている父親と母親、そして血に染まり落ちている人間だった。 「......あ」 静かに、静かに、項垂れる。 私達は静かに暮らしたいだけだったのに。 平和に...暮らしたかった...だけなのに...。 「ーーー!!!」 声にならぬ声が出た。 そこからは先は、覚えていなかった。 ーそれから私の人類への復讐劇が始まった。 今まで鍛え抜いてきた魔法の力を使って、国を乗っ取り、数多の人間を蹂躙した。 軍隊で来ようと関係ない。全て蹂躙するのみ。 気付くと私は、この世界全てを支配し、【大魔王】と呼ばれるようになった。 だが、それでも私のやることは変わらない。ただひたすらに、ひたすらに、 人類を壊し尽くすだけだ。