彼女には幼馴染が居た 名前はコイヒメ 彼女は良くコイヒメから恋愛相談を受けていた 彼女は恋すらしたことが無くいつも聞くことしかできなかった 彼女も一応コイヒメに相談したことがあるがどうにも「好きになる」という感情が分からなかった コイヒメが好きになった彼は「ハイド」というらしい コイヒメが好きになった理由は「一目惚れ」 彼女は凄くどうでもよさそうに「へぇ〜」「まぁいいんじゃない?」と相槌を打っていた コイヒメがハイドに告白すると相談に持ちかけるといつもの全く食いつかない彼女は珍しく食い気味に理由を聞いた 「初めはハイドの外見に惚れたけど優しくて紳士的な所に心を打たれた」 とコイヒメが話すとマルノルドが赤く紅潮した コイヒメは何故紅潮しているのかマルノルドに聞くと「へ?」という返事が帰ってきた どうやら無自覚だったらしい コイヒメがその事をいじるとマルノルドは恋愛について更に考え込むようになった「あ、彼が来たみたい!結果を楽しみに待っててね♪」 コイヒメがそう吐き捨てて行くと彼と一緒に町中に行ってしまった マルノルドがカフェで一杯のコーヒーをゆっくりと嗜む コーヒーからはカネフェラ種の鮮やかな香りと一口飲むと口全体に広がる苦味 彼女がゆっくりと目の前のコーヒーを嗜んだ その姿はとても16とは思えなかった 優雅で美しかった 彼女の耳に不自然に耳に入るニュースがあった それは海で死体が発見されたというものだ 何故か妙な胸騒ぎがあった いつもと変わらない帰り道の途中 ふと交番の方をみると指名手配の看板が目に入った 懸賞金などに目をやっていると一つの名前が目に入った 「ハイド・オーザス」 女性を虜にし安心しきった所を殺す連続殺人鬼の名前が目に入った マルノルドは交番に入りコイヒメがハイドと何処かに行ってしまった事を話した 警察はすぐに動いた でも時すでに遅し…殺人鬼が逮捕される頃にはコイヒメの身体は冷え切って 冷たく固まっていた マルノルドが一人、口を開く 「嫌だ…別れたくない…こんな所でお別れなんて嫌だよ…」 マルノルドから静かに涙が流れた 一瞬、コイヒメの身体が光り、どこからか声が聞こえた 「私を慈しみ…悲しんでくれてありがとう…マルノルドちゃん…それが『愛』だよ」 「待って!行かないで!まだ話したいことが沢山あるんだよ!」 「もっと話そうよ…!恋愛の話とかさ…いつもみたいに聞かせてよ…!」 今までの日常が終わり、非日常が始まるのだった コイヒメの居ない非日常が…