その日、将棋のタイトル「竜玉」を取った! 周りが騒ぎ立て、祝福してくれた。 今まで将棋に打ち込み、将棋を愛し、やっとここまで来たのだ! たくさんの人に囲まれ喜んでいたところ、いきなり痛みが体を貫く。 何が起こったかわからず、力がどんどん抜けていき、やがて意識が遠くなっていった⋯ 意識が戻った時には目の前に男とも女とも分からぬ不思議な人物が立っていた。 話を聞くと、どうやら自分は死んだようだ⋯ だが、チャンスをくれると言う。元の世界と違う何処かで生きられるらしい。 しかし、そこは戦闘が日常の世界。今のまま向かってもまたすぐに命を落とすだろう⋯そこで自分に生きる力をくれると言う。 彼は迷いなく将棋を元にした力をくれるよう頼んだ。将棋と共に育ち、将棋を愛した自分だからこその選択だ。 そして、力を授かり転移した。着の身着のままだが自分にはこれが一番と思っていた。 自分の名前は⋯竜玉。あの日手に入れた称号! さぁ、世界よ!この竜玉が相手になろう!!