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【三ツ首の狼人】ブラウ・ベルド・ゴックス

ビニー・クーパー 27才という若さで レグトーン生科大学にて 教鞭を取っている人物。 彼は神経質で有名な人物だ。 常に何かを気にしているような風で、 早足に歩き、立ち止まる時は 貧乏ゆすりを起こす。 彼は研究の際の倫理について 人一倍に敏感なたちであり、 社会から非難されうる研究を 行おうとする生徒がいた場合、 激しく叱責し、その後すぐに 立ち去るという話で有名だった。 そんな彼が今年に入り、 ある大発見をした。 三ツ首の狼人を見つけたのである。 ご存知の方もいるかもしれないが、 三ツ首の狼人とは我が国で 伝説とされてきた存在であるのだ。 あえて他の国の感覚に置き換えるならば… 竜が発見されたようなもの、 と言えば分かりやすいだろうか。 当然誰もがそれを研究したがったが、 教授はそれを 「いきなり人に囲まれ、  調べられたのでは、  彼らも怖いだろう。  研究は後日、彼らが  落ち着いてからにして欲しい。」 と断った。 それからもう一年が経つが、 教授は例の狼人への研究を 未だ解禁していない。 三ツ首の狼人が大切なのは分かるが、 流石に心配のし過ぎだという声が、 学会からも上がっている。 …だが、教授が心配するのも分かる。 しばらく前まで、 狼人が行方不明になる事件が 頻発していたのだ。 それも子供ばかりが消えており、 そのせいで狼人たちのコミュニティは 気が立っていた。 きっと、 三ツ首の狼人もそうだったのだろう。 ただ、最近は その行方不明が収まりつつある。 コミュニティもやがて落ち着くだろう。 三ツ首の狼人の研究が始まる日も、 近いかもしれない。 ある教授の日誌 725年3月4日 私は決めたぞ いないなら作ってやる 私の、理想の狼人を…三ツ首の狼人を、 作ってやる! そうと決まれば、早速研究だ! 何が必要だろうか、 取り敢えず材料は用意せねば 725年6月19日 随分と日が開いてしまった 構わない 被験体は確保した まずは首を縫い付けてみるか 気道を繋げるには どうしたら良いだろう? 被験体が死んでしまった せっかく捕まえてきたのに 原因は不明だが、 恐らくショック死だと思われる 狼人にそぐわない気質のものだった、 あれでは手術が上手くいっていても どうせロクな結果には ならなかっただろう 研究費をケチってはいけないな 次から麻酔は使うことにする 725年6月27日 改めて、被験体をまとめて7体! 連れてきた、これでしばらくは 捕まえに行かなくて済む 気道を繋げる際、足りない分を 他の個体からツギハギして 補完するのはどうだろうか? 試してみよう 思った以上にいい感じだ! すごいな、1度首を切られても 処置が適切なら延命できるのか! これは人にも応用できるかもしれないな クソ 途中までいい感じだったのに 窒息だ今度は 頭が3つある癖に肺が 1つしかないものだから、 酸素が行き届かなかった この分じゃ心臓も圧力が足りないか? 強い心臓に大きな肺、 それを動かす丈夫な横隔膜に… 身体を大きくしないとダメじゃないか? これ… 725年7月2日 最悪だ死んでた バレないようにと 地下に押し込んでたのが まずかったのか? 弱ってた個体が死んでた、 それはまあいい なんで他のも死んでるんだ? 生き残りが1体いたが、 拘束を腕ごと引きちぎっており、 飛びかかってきたので 散弾銃で始末した まだ小さいとはいえ、 狼人相手に手加減などすれば こちらが殺されてしまう 彼らは例え人間形態でも、 人とは比べものにならない 膂力を持っているのだから そうだ、狼人形態での実験も行うべきか やりたいことがどんどん湧いてくるな そういえばなぜ2個体も 死んでいたか、理由が判明した 共食いだ 狼人は大喰らいだと聞くが 腹が減っていたのだろうか 次からは餌を多くしておこう 自身の腕よりは美味しいはずだ ストレスも考えて、オモチャも 用意した方がいいか 骨を置いとこう! 名案だ、これなら多少 腹を満たせるだろうし、 それにわざわざ調達しなくとも ここにあるのを使えばいい 725年7月3日 死にかけた バレた、危ない 昨晩ついた血の匂いが原因だ 今までは日を跨いでいたから 気づかなかったのか 銃を持っていっててよかった 1体だけだが、生きたものを確保できた だが流石に小さすぎる これでは本実験には使えそうにない 育ててみるのもいいかもしれない そうすることで分かることもあるだろう やっぱり怖いので埋めた 大きくなった狼人は 多分私の手には負えない 725年7月4日 腐らせる前にどうにか処理したい 勿体無いので 手術の練習でもすることにした 一通り上手くいったんじゃないか? うん いい出来だ やっぱり最初の手術ミスは 被験体が暴れたのがまずかったんだ やはり暴れられると 細かい作業なんか無理だものな 確か、 死体を利用したゴーレムについての 研究があったはずだ あれをこっちに応用できないか? 725年7月6日 電気的刺激があれば、 死体であれど動かすことができるらしい これであれば暴れられる心配もないし、 今後はこの方向で行こうか? 問題は腐敗をどうするかだ 時間経過で形が崩れるし、 怪我をした時治らない この部分については あちらの研究でも 詰まっているようだったからな 私で見つけなければ 取り敢えず保存液に漬け込んでみるか より新鮮な状態で行うのが 望ましいだろう 良い材料を確保できたら、 継ぎはいで、大きな身体パーツを作る それをさらに繋いで、 三ツ首の狼人のボディを完成させる! 725年7月7日 生徒が狼人の凶暴性を抑える実験を 行おうとしていた ダメだろ倫理的に おおっぴらにやるもんじゃない 私まで巻き込まれたら どうしてくれるんだ 幸いなことに被験体は一体だけだった これぐらいなら処理は楽だ あのバカたちには 未だに腹が立っているが、 いいアイデアをくれたこと には感謝している 脳を一部切除してしまおう 目標は、そうだな 私に対しては凶暴性を出せないような 状態となるのが望ましい 725年7月14日 漬け込んでいたやつを取り出した 腐っていない 取り敢えずは成功か 一部薬液が薄い部分があった やはり体外と体内で差があるらしい 肺や消化管などが薄いので、 次からは漬け込む前に 薬液を流し込んでしまおう 追記:消化管で薬液を 吸収させることができれば、 全身へ浸透させることが できるのではないだろうか 725年7月16日 非常にまずい 私の研究が発覚した 幸いなことに生徒1人のみだ 今のところは 一体どこから知ったのだ? 取り敢えず、映画で見たように 指先を潰していって 情報を吐かせることにした 他に知ってるやつがいたら そいつも消さなきゃならない 泣くなよ こっちだって泣きたいんだぞ 拷問なんて初めてだから 上手くできてるかも分からない 彼女はすぐに吐いた 3日の件だ、銃声を聞き 現場を覗いていたらしい バレないよう気をつけていたんだが 私の秘密について 他に知っているやつが いるかもしれないので、 それについても聞いた 彼女はずっと 知らないの一点張りだったが、 数時間粘ると 「ジュリー・ビナー」 も私の研究について知っていると吐いた 彼女は交友関係が広い人物だったはずだ 早急に対処しなくては 結論から言うと、 ジュリーは私の秘密について これっぽっちも知らなかった 意味もなく危ない橋を渡らせやがって ふざけるなよ だが転んでもタダでは起きないのが私だ これをキッカケにあたらしい アプローチを思いついた 人をベースにして、 新しく狼人を組み立てるのは どうだろうか? これならば、 凶暴性を抑えられるかもしれない やってみよう あとその前に、彼女らでも首の 接合試験をやっておこう 725年7月21日! できた!できたぞ、 フレッシュゴーレム第一弾だ! ジュリーの肉体をベースに、 彼女らを繋げた メアリーの肉体は損傷が激しかったので 大部分は廃棄した もう1人の被験体について 名前を書いていなかった 私の現場を見ていたやつ、 彼女がメアリーだ ジュリー・メアリー この成果の名前は、これでいいだろう 725年7月22日 ジュリー・メアリーが脱走した クソ 人間はこれだから嫌いだ 嫌なところで頭が回る 真っ先に警邏隊へ駆け込んだらしいが、 化け物だと追い返されたようだ 銃声が聞こえたし、 多分発砲もされたのだろう 笑えるね 結局、あれが 森の中に隠れているところを保護した 狼人について、 彼らが危険だから凶暴性を 抑えなければならないというのなら、 人間は悪どいその知性を捨てるべきだ ジュリー・メアリーの 脳に手を加えた 術後、 ジュリーは知性を、 メアリーは記憶を失っている これで経過観察すれば、 それぞれの影響が分かるだろう 質疑応答を繰り返した結果、 メアリーの中には私に対する 反抗心があると分かった 記憶を消すだけではダメだな メアリーの知性を削った 725年7月28日 脳の弄り方については、 ジュリー・メアリーへの 実験を通して理解した それで次の問題だ 人間をベースに狼人を作り出す… 一体どうやって? これは肉体の接合だけでは難しい そもそも狼人はなぜ 人間形態から狼人形態へ 移行できるのだろう? 両者では骨格が大きく違うのに 凶暴性の発露 血液の匂い→興奮状態 トリガーは光? 725年8月4日 被験体が切れたので調達する 今回はレザレクショニスト、 つまりは墓荒らしや死体漁りを 頼ろうと思う 元々大学の方でも 法的にグレーな遺体を 買い取ることは多い 墓荒らしたちも片棒を担ぐのだし、 わざわざ用途を知ろうだとか 首を突っ込んでくるやつは 少ないからな 天気がいい、散歩にでも出よう 725年8月5日 今回依頼したのはジョンという男だった それなりに経験があるようで、 状態の良いものが5つも、手に入った その分金は吹っ飛んだがね 金はまた稼げばいい 今は実験だ それと、ジョンという男について こちらを値踏みするように見てきたが、 ついぞこちらを探ることはなかった 無駄な好奇心が無いのは良いことだ 彼は人自体ではなく、 それによって自分がどのような 恩恵を受けられるのかが知りたいらしい 都合はいいが、 私個人から言わせて貰えば 探究心に欠けているそれは 死体と変わらない人間性だと思うね 725年8月16日 トリガーが分かった!!! 人の凶暴性の顕現、 それこそが狼人の発露だったのだ!! 血を嗅いだ狼人の脳内にて分泌される 生理活性物質を人間に注入すると、 僅かではあったが肉体の変化が見られた 面白いことに、この物質は 人間の脳からも普遍的に見つかるものだ 違うのは量だけ 恐らくだが調整すれば、 人間を狼人へ変えることができるだろう 人のうちに獣が潜むなどと くだらない宗教者は宣うが、 あれはある意味正しかったわけだな 725年8月20日 ついに1人目が完成した 名はトーマス・ロビン・ジャックだ! 人をベースにした狼人、 そしてついに三ツ首の…! かっこいいなあ、凶暴性について 制御は必要だろうが、 これはもうすでに完成と 言っていいかもしれない 今日はよく眠れそうだ! 725年8月21日 トーマスらが死んだ 理由は拒絶反応による肉体の剥離 …血の近いものでないとダメだ 改めて墓荒らしに頼むとしよう ちなみに3人分の肉体を合わせて 大きな身体パーツを作るというのは 成功した 方向性は間違っていない 次こそ必ず 725年8月29日 できた 次のやつの名前は ブラウ・ベルド・ゴックス 今のところ問題はない あとは凶暴性の問題だが… 血に興奮しすぎる 私に襲いかからないようにするには どうすれば良いだろうか? 725年9月3日 ツギハギ痕が残ってしまう 仕方ないのでコートを着せて誤魔化す 肉体の調子はすこぶる良い あとは精神についてだけだ 私の匂いで落ち着くように弄った これでどうだろうか? 725年9月12日 完成だ! これがケルベロス・ライカンスロープ、 カッコいい…!! 今までの苦労が報われるようだ、 最高の気分! 結局血の匂いに対する敏感さは 残ってしまったが、 私の匂いによる抑制は 効いているようなので 当面これで様子を見る 次はどう改造しようか? もっと強くしたいな ここまで読んだ方には称号を 『見られたからには』 称号やってみたかった 本来キャラでやるもんじゃ ないだろうけど