イタリアのギャング組織「パッショーネ」に所属していた暗殺チームのリーダー。 高い実力を持ちながらボスから冷遇される暗殺チームの現状にチームの不満が溜まっていっていたある日、ボスの正体を調べていた部下のソルベとジェラートが殺害される。特にソルベの方は生きたまま輪切りにされ、しかもそのパーツをホルマリン漬けにして、暗殺チーム宛てに送りつけるという残忍極まりない手口であった。 チームの誇りを侮辱されたと憤りつつも、このボスからの「自分の正体を探る者はこうなる」という恐怖のメッセージの前に、暗殺チームは復讐を断念。飼い犬としての屈従を余儀なくされた。 しかしボスの娘「トリッシュ・ウナ」の存在を知った時、その娘を手に入れればボスの秘密がわかると考えたリゾットは、ボスを暗殺して「麻薬ルート」を横取りするために他のメンバーと共に組織に反逆。 サルディニア島でブチャラティらを追跡していたが、そこでドッピオと遭遇。優れた観察眼と冷静な判断力、自身が持つスタンド能力を武器にドッピオと激しい死闘を繰り広げることとなる。 原作ではドッピオ戦が初登場だったが、アニメでは先行登場し出番も大きく増えている。 初登場はホルマジオの回想から登場。時間軸的には本編の2年前の1999年である。 アジトと見られる場所にて報酬の分け前について話し合っている際、ソルベとジェラートが不在であることに気づく。『ジェラートはともかく…ソルベは金にがめつい…分け前の話の時にいままで来なかったことはなかった…』 【普段いるはずの奴が、不在】というこの事態を深刻視したリゾットは、暗殺チームの総力をあげて二人を捜索する。 ジェラートを見つけ出すことには成功したが、ソルベは…。 捜索後、ソルベとジェラートの葬儀にて、『皆…これっきり…ソルベとジェラートのことは忘れろ…』と告げボスの正体を突き止める事は諦めるようチームメンバーに指示を出している。自身は最後まで残り、二人を弔った。 ソルベとジェラートの葬儀から二年と二か月後、ボスに1人娘がいることを知り、ボスへ本格的に反旗を翻すことを決意。家探しを行い、住んでいたとされるアパートにチーム全員で乗り込みボスの素性や過去を調べる。 部下たちを娘の捜索に当たらせると自らもボスの正体を探るべく行動し、駅のホームである男が持っていた写真の残骸を発見・回収、技術屋((『恥知らずのパープルヘイズ』による言及に従えば組織の情報分析チーム)に復元させるなど、描かれなかった活躍が見せられた。 14歳の時、まだ幼かったいとこの子供が酒酔い運転の自動車にひかれ死亡。 社会はドライバーを数年の刑で済ませたが、リゾット自身はその判決を許すことができず4年後にそのドライバーを暗殺。 以後裏の社会に生きることになり、齢21の時にパッショーネに入団・スタンド使いとして活躍する。 その活躍は目覚ましく、パッショーネの脅威となる障害は力を持つ政治家であろうと他国のギャング組織の人間であろうと退けており受けた任務は全て成功している。 少年期から復讐者としての側面を持つ彼が、部下たちの仇討ちに動き出すのはある意味当然だったのかもしれない。 幽波紋「メタリカ」 【破壊力:C / スピード:C / 射程距離:C / 持続力:A / 精密動作性:C / 成長性:C】 スタンド名の由来はアメリカのヘヴィメタルバンドMETALLICAから。 また、劇中であげていた「ロオオオーード」という呻き声は同グループが1996年に発表したアルバム『ロード(LOAD)』から。 本体の体内に無数の群体型スタンドが潜んでいるという非常に珍しいスタンド。 射程は5~10mで、典型的な近距離パワータイプよりは射程が長い程度。 磁力で地面や湧き水など鉄分を含む様々な場所から鉄分を引き寄せて操り、刃物等を作り出して攻撃出来る。また、相手の血液中の鉄分を刃物等に作り変えることも出来、その場合は体内から攻撃することもできる。リゾット自身が鉄分を身にまとうことにより、景色と同化する=透明化することも可能で、この状態のリゾットにドッピオほど接近出来た者は1人もいないとされる。 切断された足を能力で作った金具でつなぎ止める、と言った使い方も披露している。 磁力で鉄分に作用すると言うシンプルな能力だが、この能力の恐ろしい点はターゲットの体内の鉄分を減らすことにある。 つまり早く鉄分を補給しないと、血液中の赤血球が酸素を運ばなくなり酸素欠乏症になってしまうのだ。 さらには敵の体内から攻撃可能という特性から、高いカウンター能力を持つイエローテンパランスや高い防御力を持つホワイト・アルバムのようなスタンドの最大の天敵である。 おまけに上述どおりスタンドが体内に潜在しているためにスタンド使いにありがちな「スタンドのビジョンがスタンド使いに視認されることで自身がスタンド使いであることがバレてしまう」という欠点も存在せず、対スタンド使いに対しても能力発動時でも自分がスタンド使いであることを悟られず優勢な立場に立つことが出来る。 まさに任務の失敗は一度もないのも頷ける、暗殺に適した能力であるといえよう。 だがしばしばこの戦法には、カミソリやハサミを敵の体内で作ったり鉄欠乏性貧血にさせてジワジワといたぶるような回りくどいことをするよりも、脳や心臓のような重要な臓器の血管内の複数箇所に金属片を生成して一瞬で血流を停止させ、重度の脳梗塞や冠動脈閉塞に至らしめるなどの手段で殺した方が手っ取り早いのではないのか?というツッコミがされる。 これについてはもっともな話だが、「精密動作性」がC(=人間並み)なので、おそらく体内の深部で刃物を生成してピンポイントで傷付ける等の精密な動作は出来ないのだろう。作中でも皮膚一枚隔てた場所や体外と言った、まだ見える範囲でしか刃物を生成出来ていない。 初見殺しではあるが、いくつか弱点があり、ドッピオにそこを突かれる。 ①リゾットの体内にいるスタンドから磁力を発生させるため、リゾットの肉体からしか磁力は出ない(体内中にスタンドがいるので欠損した身体から磁力を発生させることは出来る)。 ②射程が5~10mなので、ある程度間合いを詰める必要がある。 ③敵の鉄分を体外に抜く方法は、磁力で鉄分だけを引っ張り出すだけという単純な方法であるので、鉄を引っ張る方向を辿ればリゾットがいる。 手前にカエルを置く→手前に置いたカエルの鉄分が先に体外に引っ張られる(カミソリとなる)→その方向から磁力が強くなってる→つまり、その方向からリゾットが近づいている。 鉄で出来たメスの引っ張られる方向にリゾットがいる。(作中では切断された足から、この能力を使うことで位置を偽装したが) 他に弱点…というか相性が悪いと言えるのが、他ならぬ第5部主人公らブチャラティチームの面々。 本体の強キャラ感に加え、スタンドも厄介なものであり、実際劇中でもその脅威は存分に描かれた一方で、ブチャラティチームと直接戦うことはなかった彼だが、スタンドの相性は皮肉なことに最悪。 相手の皮膚の下に凶器を形成してもスティッキィ・フィンガーズで取り出され、ゴールド・エクスペリエンスで傷や血はカバーされ、姿を消しても二酸化炭素を探知して遠距離攻撃が可能なエアロスミス等々、様々な意味で厳しい戦いとなるだろう。 単純な強弱ではないスタンドの相性というものが如実に現れる一例ではなかろうか。