《CLASSIFIED》 個体識別名:リアン(Rian) 身長:170cm 所属:チームⅠ“Slaughterer”遊撃隊 状態:WIA(監視対象) 【宿魂情報】 名称:[削除済み] 出身:[削除済み](現:ポーランド) 確保理由:[削除済み]を用いた機動戦の模範を作り上げた指揮能力。 状態:完璧。当該“終戦乙女”は宿魂の力を独自に発達させた能力を有しており、感情面の成長も好ましい。 備考:終戦乙女と宿魂との関係性の模範が当該“終戦乙女”であり、これを今後の基準値とすべし。 特別示達事項:当該“終戦乙女”の動向には注意されたし。 ────────────────── 《PROFILE》 ────────────────── 《STORY》 各地で選別と銘打った一方的な攻撃活動を行う“終戦乙女”によって、僅かな平穏は当然の如く崩壊した。 武装・非武装問わず、目に映る全ての命を刈り取る様に奪うが無情な事にここで消える弱き魂に彼女たちは興味がない。 終戦乙女が求めるのは強き戦士の魂。無差別な殺戮は正しく強きと弱きを篩にかける──と言うよりも炙り出すに近い。 人の形に似ながら、人とは決して理解し合えず理解する気もない終戦乙女。当然彼女の達の殆どは相手が女、子供でも老人でも何であろうと殺す以外の選択肢はない。 終戦乙女にとって判断基準は魂の強度。外見ばかりを着飾ってきた連中の努力も、彼女達の目には金太郎飴もかくや。 そして、優れた強き魂の持ち主が立ち向かってくれば──それこそ終戦乙女達の目論見通りの展開。 次から次へと天から降りてくる終戦乙女たちを前に、遂に絶えた戦士の魂を彼女たちは丁重に包み運ぶ。 全ては来たる終焉に備えるために。 同時に終戦乙女は迎え討つ終焉への勝利を確実たるものにすべく、この地に蔓延る悪党達の掃討へ着手する。 とある村落で激しい戦闘が繰り広げられる。空中を飛び回る白い軍服の終戦乙女へ立ち向かっていたのは──風車の巨人。 試練の魔物と渾名される韋編悪党の彼は、この異常事態に孤軍奮闘をしていた。元より悪の組織とは名ばかりの烏合の衆である韋編悪党は、一部の連中を除き単独行動が主。 韋編悪党内でも古株の風車の巨人もまた、一人で多勢の終戦乙女と戦い続ける。そこに不満などは無く、ただ無差別な殺戮を制止させるべく彼は戦い続ける。 頭の風車の羽を力強く回し、空中をすばしっこく飛び回る終戦乙女へ巨腕を振るう。叩き落された彼女たちは、地面や家屋へ赤いシミとなって果てる。 逃げ惑う村民達へ気を配り、彼らを無事に逃がすまで戦い続ける所存の彼だったが──その思いは届かない。 「消えろ──無価値の悪党」 冷たい声が空気を張り詰める。 風車の巨人がその声に気づくよりも速く、眩い電撃の一撃が空を駆る。 回避も間に合わず、雑多な防御行為を無視する電撃は巨人の体を走り──彼の活動を崩壊させる。 電撃を放ったのは名をリアンと言う終戦乙女。全身に電気を纏わせ感情の無い冷たい瞳で地上を睥睨する彼女。 地上の殺戮を見物するリアンは、ふと奇妙な異変に気づくと素早く電撃の刃を放つ。 「物見遊山とは、随分と悠長だな」 「逆にお前は急ぎすぎだな、もう少し──」 割れた空間から顔を覗かせる一羽の烏。彼が何か言おうとする前にリアンは素早く電撃を放つが、エメラルドの結晶がそれを防ぐ。 「ッッ……なんたる力。あるべきシステムの枠から外れ、ただの道具と成り果てたにも関わらずこの出力か」 烏の横に現れたエメラルドの目玉が、電撃の威力に震える。 「韋編悪党、貴様らは誰からも必要とされない存在だ。消え去れと生優しい言葉すら不要、死ね──疾く死ね」 リアンが冷たく言い放った直後、天空より落とされた電撃、否雷撃が襲う。 エメラルドの結晶が砕け散り、激しい轟音と眩い閃光が──彼らを異空間ごと消し飛ばした。 「──はぁ、間一髪か」 「中々良い出力だったな。少々面白みに欠けるのが残念だ」 リアンの電撃から逃げ延びた烏とエメラルドの大魔法使い。“異空間にいる彼ら”を狙った電撃から逃れるべく、彼らは“一時的に異空間との因果性を遮断すること”で回避した。 「終戦乙女……面白くない存在だ。ましてや韋編悪党を存在ごと消し飛ばすとはつまらん」 「再生成ができないのか?」 「ああ、風車の巨人を完全に失った。これ以上我らに被害が出るのを防がねば。だが、それより前に誰だ、そこに潜んでいる者よ?」 烏の言葉に呼応して空間が黒く滲み何者かが現れる。 真っ黒な装いの女。まるで烏の如く黒い姿に鞭のような細い目の顔に薄気味悪い笑みを浮かべている。 「流石、お見通しでしたか。私の名は“フギン”本日はご挨拶に参りました」 体を這い回る様な声質のフギンは芝居がかった動作で頭を下げる。 「フギン……その名を騙るには随分と悪意が隠しきれていないな。その神聖な皮の下に隠れるお前は誰だ」 「……ククッ、いやはや、ただの三流作家かと思えば中々に鋭いですね。この体を騙し喰らうのには結構苦労したんですけどねぇ」 「その体を騙すだけでなく、私の“計画”までもかすめ取るのは面白くないな」 烏は不機嫌にフギンを騙る某を睨む。 名前こそ違えど、今世界を危機に陥れる終戦乙女とは──烏たち韋編悪党が前々から計画していた一大プロジェクトだ。 「貴方達に神話の改悪は成し得ません。ですがワルキューレと歴史に名を残した者の魂を融合させる案は興味深いので、私が代わりに行ったのですよ。むしろ感謝をすべきでは?」 偽りのフギンは腹立たしい程の笑みで、傲慢にもそう言い放つ。 「あんな面白みの欠片もない存在にした事が癪に障る。誰も相手にしないだろうよ」 「その発言は貴方達へ返します。面白くも強くもない──ただ灰の山に消えゆく無価値の貴方たちにね。 「何より戦闘をする場で、つまらない日常だの、触れ合いだの、心温まるエピソード等をぶつけるのは失礼でしょう? 「では、私はこれで……さようなら、誰からも助けを得られない可哀想な悪党の皆様」 偽りのフギンは最後に“蛇”の様な瞳で彼らを嘲笑した後、黒い羽撒き散ら姿を消す。 残された烏とエメラルドの魔法使いは安堵している場合ではない。空には無数の終戦乙女が飛び回っており、遥か遠くからは無数の爆撃音や破壊音がひっきりなしに静かな空に響いている。 「この世の悪意を混ぜ込んだ奴だ、不愉快極まりない。どうする烏」 「奴らは世界全体へ喧嘩を吹っかけた……それが何を意味するかは一目瞭然だろ」 「そう上手く行くとは思えんがな」 「上手くいくだろうさ──壺の底に溜まった希望達のお手並み拝見といこうか」 ……ッ……忌々しい……何が平和だ…… ……平和など、我らが最も唾棄すべきモノ…… 空を見ろ、白く染まった空を見ろ── この世の終焉は止められない…… https://ai-battler.com/battle-result/clyjx1vb40022s60o0nl11xbr ?「やーっと見つけたよ、少しは頭も冷えたかな? あぁ、そうピリピリしたって負けは負けさ。それより、どうだい帰る前に語り明かそうじゃないか、それこそ山登りの醍醐味だからね」