彼女は優秀な研究者だった 幼少期に発明した数々の発明は 根本的な科学知識が不足していた大日本帝国をアジア有数の技術大国に成長させた しかし彼女は既に西洋で解明済みの技術の発展系に関しては後回しにした その天才的な頭脳で求めたのだ 「全ての基礎」についてを 「魔法や能力の原理解明」 全てが謎に包まれ 皆が使うのに何もかもが分からない超常現象 ただ知りたかったのだ 未知の根本的な科学を この世界は実に奇妙だ 世界全体の法則を歪めるような魔法や能力というものがありながら 世界全体の秩序はある程度守られている 星野のように奇妙なこの魔法や能力の原理の解明をしようとする者は少なくはなかったが 正確な法則というものを解明できたものは少ない 魔法に精通する者も抽象的な「イメージ」で魔法を制御していた 身体自体を回路として 魔力の流れを「なんとなく」感じ それを使用する 全てが抽象的で未知 それが魔法や能力であった しかし彼女は少しづつ そして確実に解明していった 魔力を構成する極小の0と1の配列で完璧に作られた「コマンド」 知的生命体に関わらず思考する際に発生する信号を元にした能力の「司令」 物質とは違う数字上に存在する別の物質 目には見えなく ただ干渉は可能な異質な存在 常に変わり続け変化する極小のコマンはたしかに 外部から干渉可能なプログラムなのだ 実際には消費はされず 数値が入れ替わるだけの世界 いくつかの実験により このコマンドを入れ替えれば理論上は全てを創ることも 全てをリセットすることも可能なことがわかった しかしそれはなんらかの干渉によって弾かれる 我々が普段行使している「魔法や能力」 は想定された 使用の許可をされているコマンドであり 世界の根本的な法則を書き換えることや 設定された数値量を圧倒的に上回るコマンドの行使は弾かれる 魔法を行使する際には詠唱を唱えることがほとんどだ それの理由が言葉によるイメージの追加補正 本来の能力を行使する際に使用するコマンドの補助であり誘導 上位の種族または上位者は無詠唱または簡略化した術名を発するだけで魔法を使える それは補正を使わなくとも脳内のイメージによりコマンドを行使できるからだ ただそれらもイメージを経由した補助であり コマンドによる出力司令には遠く及ばない つまりコマンドこそ 魔法や能力の根本的な出力文であり コマンドを行使すれば謎の権限で弾かれる物以外は全て干渉可能なのである これらの導き出した結果によって同時にあまり考えたくないことも証明してしまうことになる この世界はプログラム上に作られた仮想世界であり 自分はコード上に作られたまたひとつの出力上の存在であると またコマンドの存在を知ったことによって自分の既に行使できている 自分の感知外の能力つまりコマンドもいくつか判明した 叡智有者 Dランク権限の一般認識阻害を解除する権限 というものだ この惑星に存在する知的生命体は数多くいる 人類の知能を上回る種族なんて多数いる その中でコマンドの存在に誰も気づいてない理由の1つがこれだった 一般認識阻害 恐らく全ての知的生命体、いや全ての生命に与えられてる法則の1つが邪魔をしていた コマンドの存在 極小の世界を彼女を除く全ての存在が認識できなかったのはこの制限 によるものなのだ いつ彼女にこの能力が付与されたのかは彼女でもわからない ただ1つわかるのは本来だと有り得ないものが付与されているということ イレギュラー…だとも考えにくい 生命体自体はこの世界には無限に存在する その中の1つ彼女がピンポイントでバグが発生するとはとても考えられない 意思(イメージ)によるコマンド操作が無意識に行われたのかとも考えたが そもそも法則に干渉しうるこの能力を得ようとしたらシステムに弾かれるだろう 彼女は結論を出した 自分は存在Aつまりはこの世界をプログラミングしたなにかによってこのような思考をしたどり着くように出力されてたのではないか?と 全てが馬鹿馬鹿しくなった 数字によって作られた世界 プログラミング上に作られた存在 ここまで辿り着いたが彼女はまだ16歳 誘導されるがままの人生を嫌いこれ以上の解明による情報量の負荷を拒絶した 最終的に彼女は全てを「諦めた」 研究室にこもり 自堕落な生活を始めた 性欲 食欲 睡眠欲 この研究室は誰もいない 故に3大欲求の全てをだらだら消費することが出来る コマンドの存在を知ってるが故に欲しいものはなんでも出力できるが決して常に贅沢はしない 過去の実験で彼女は「舌が肥える」という現象を知っているからだ 人間の欲望は恐ろしい 1度贅沢の味を知ってしまい破滅した人間や実験対象を彼女は多く見てきた 故に彼女が選んだのは 暖かい布団にもぐりだらけながら 漫画を読んだり 自慰をしながら快楽を満たし 自らの発明により生み出した機械生命体「ロストブラスター」の散歩を巨大な研究所内で済まし また布団に潜るのだ 番外編 ろすとぶらすた〜製作記☆ 私がまだ幼い頃 魔法の原理について興味を持ち始めた頃だ 一般的に魔法や能力は魔素を消費し それを元に魔法陣や身体から魔法を放つ 全ては周囲の魔素が魔法を作っている 彼女は魔素の原理的な観測を試みた しかし問題があった 魔素の観測方法が無かったのだ 魔法を使用する際に消費するために 自分の部位のどこかしらに魔力を 集めるが観測するには不十分 魔素を手のひらに集めることは出来てもすぐに吸収されてしまうし そもそも小さく拡大しても写るのは一瞬 停止した状態を観測することは難しい では体内にある魔素はどうだろうか? スライム等の目の見えない種族は 魔素を感知し視力の代わりにする 人間も魔素を感じることはできるのだが 空気中の魔素を感じることはできない 生命体が内部に吸収した魔素を感じることができるだけで拡大して「見る」ことができないのだ 身体の障害物のせいでぼやのかかった抽象的にしか見ることが出来ない この問題は私を悩ませた その中で作り出したのが 最初の機械生命体 プロトタイプ である 人間の骸骨を模したガラス造の機械生命体 こいつに魔導核を接合させ ゴーレムを誕生させる 結果的には無事に魔素の観測に成功した 生命を作る際に消費する魔力は凄まじい 1箇所に集まった魔素の観測が出来たのだ ただ他の問題が生じた ゴーレムの作成にハマってしまったのである プロトタイプはガラス製であり、誕生後すぐに魔導核と適応できずガラスが破裂してしまった 私は考えた 完璧なゴーレムを作ってみたいと ちょうど助手が欲しかったのだ さっそく私は最高傑作を作るために検証を重ねた ゴーレムを主に生産しているのは西洋諸国である 一般的なのはドイツが主に生産する人型の中規模ゴーレムである 破壊力と手足を使用した作業力を持つ そしてもう1つが北欧式の獣型だ フェンリルという幻獣を模したゴーレムであり 機動力があり戦闘に優れる 私はゴーレムを複数体作った 細い実験を手助けする人型のゴーレム 研究所の防衛に優れたサイを模したゴーレム いくつかのゴーレムを生み出すにつれて 最高傑作ができた それがロストブラスター 当初は巨大なドラゴンのゴーレムを創り出す想定だった しかし量産性に優れないし なにより場所をとる(重要) 最終的にできあがったのが ドラゴンの頭のみを浮遊させた 圧倒的な破壊力を持つゴーレム 頭のみで尚且つ高速で移動できるので 機動力がとんでもないことになった うむ、頑張れば乗れるし良いできだ こいつを量産するとしよう…