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(O-06-20 「何もない」)

このアブノーマリティは人になろうとしているが、間違っても人とは呼べない異形の化け物である。  人の声を完全に模倣することができるが、その意味は理解していないという。  「何もない」は複数の人体のパーツで構成されているが、その継ぎ接ぎの体は時間と共に摩耗していくのみなので、定期的に周囲の人を襲い、その体のパーツと交換したり、皮を被ったりする。  今のところは明らかに人間でないとわかるが、その身体は間違いなく進化を繰り返しており、徐々に人に近づいてきている。  その存在が我々と区別できなくなった時、終わりが訪れるだろう