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【凍傷の】レザリア

愛する彼の人は言った。「生きてさえいれば道は開ける」 愛してくれた彼の人は言った。「感謝を忘れず感謝を返せ」 恩を売った彼の人は言った。「お前ほど扱いやすい奴は居ない」 どれほど皆に縋ろうと、 どれほど皆を助けようと、 そんな善意は、皆の行動一つで水泡に帰す。 心のどこかで恩が返ってくると期待しているから。 そもそも、どうして期待なんてするのだろう? そう教えられているから? 自分に得になると無意識に感じているから? …期待なんてしないほうが楽なのに。 分かってる。私が彼らに施してきた行為は偽善に過ぎない。 でも、偽善だろうと、彼らがまた偽善を返してくれると考えていたから。 彼らが私を助けなかったとき、 彼らが私より先に死んだとき、 役に立たなかったと、期待を裏切られたと感じたんだ。 …私は、下心無しでは他人を助けようとは思わない。 …でもそこに、本物の善意との違いはない。 回数が、助ける場面が減るだけだ。 "助けた"事実は変わらないのだから。 どんな偽善でも、偽善すら起こさず後悔するより100倍マシだ! 彼らを助けたら、彼らは今度、私にどんな礼をくれるだろう? さあ、偽善を始めよう! 私利私欲の為の善行を行おう! 他人への仁義道徳など投げ捨ててしまおう! 《イカす〜♡》