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セレナ

本来なら意識を宿さない空の器として創造されるはずのアバターだが、アリアの思惑によって心が芽生えている。 オリジナルが有名な為に、彼女自身も地上に住む人々の間ではそこそこ有名。 しかし、オリジナルのことをあまりテルマに知られたくないので、その手の話をする人物を無意識に睨む癖がついている。 同位体、一種のクローンに近い存在なので、常にオリジナリティを求めており、記憶喪失なのもあって彼女を一個人として見てくれるテルマを大切に想っている。 だが、その想いは旅をする中で膨れ上がり、やがて単なる護衛対象だったテルマを好きになってしまった。 オリジナルのアリアから彼は自分の恋人だと聞かされており、髪や目の色は違えど同じ見た目である彼女がテルマのパートナーだったことに深い嫉妬を抱いていて、このまま連れてゆくべきか悩んでいる。 しかし、魂に刻まれたオリジナルからの命令は絶対であり、歯向かうことの出来ない自分に歯がゆさを感じている。 ヘブンズ・リンクスに住むアリアの同位体なので、立場を超えた情報を持っていて、彼女の計画も知っている。 地上に残った人類の半分を犠牲に異獣を抹殺する計画が果たして正しいのかセレナ自身はわからないが、テルマがそれに巻き込まれることにモヤモヤしている。 尚、テルマが記憶喪失な理由や巨大なオプトユーザーでもあるアリアが彼を直接迎えに行かなかった理由は知らない。 産まれやオプトユーザーであるものの、感性は普通の少女であり、甘いものを食べて微笑むこともある。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 2000年頃から本格的に異世界との扉が開き始め、異世界の原生生物たる異獣の侵攻が始まり、僅か10年でユーラシア大陸の3分の1が人類の生存圏ではなくなった。 2031年頃に2人の若き天才学者クーリャ・ヴォルコフとタリナ・アドレードによって立てられた三つの人類生存の為の戦略、それは、 惑星軌道上に新たなる大陸を作り、人類の生存圏拡大を狙った【セカンドフロンティア計画】。 意志を憑依させる器を作り、損耗の激しい兵士の補充をする為の【アバター計画】。 人類の文明を再現する能力を持った少女を未来に送り、未来の力で以て現代の驚異を排除する【シンギュラリティ・メサイア計画】。 この三つの計画、通称トリニティプランが発足した。 下地となったのは、二人の学者によって科学と魔術の二つの異なる系統に属する技術体系を一本化させた【エーテル理論】であり、それによってオービタルリングの基部たる感応石(オプリニウム)の作成とアバター計画のキモとなる"魂"の存在を観測した。 人類の特異点たる二人はアリアのことも認知しているが、シンギュラリティ・メサイア計画に忙しく、また彼女の計画も成功したなら人類にとってプラスとなる為に放置されている。 ※テルマ・イェク 感応石の応用における第一人者にして技術者。 恋人のアリアと共同でクララ達とは別の方法で人類を救う手段を模索していたが、"クラン発光現象"の発見により感応石を利用した【位相転移技術】を確立。 これにより異獣達を元の世界へ戻して【扉】を閉じることを目的とした計画を立案するも、試算されたエーテル量は地上に住む半分の人類、約30億人の犠牲が必要とわかり諦めた。 しかし、計画を諦めきれないアリアは秘密裏にこれを進め、4つの軌道エレベータの1つ"ユーラシア・アンカー"に制御装置を組み込んだ。 それを知ったテルマは会話で止めることが不可能とわかり、実力行使に出た。類い稀なるオプトユーザーだった二人の争いはオービタルリングにダメージを与える程の規模となった(オルレアン事件)。 相性もありアリアが勝利したが、彼女に彼を殺すことは出来ず、記憶を封じた上でコールドスリープさせた。だが、不幸が重なりテルマの眠るポッドは地上へと投下されてしまった。 彼の無事はわかっていた為、アリアは計画の遂行を優先しようとしたが、最終実行段階で発生したエラー。それは【侵食】のオプトを持つテルマによる改竄だった。 彼がいなければ最後のキーが始動しないことを知ったアリア。しかし、他の誰も、テルマ以外を信用出来ない彼女は立場故にそこから離れることは出来ず、手詰まりに陥った。そこでまだ試作段階だったアバター計画に手を貸す代わりに一体の創造権を確保し、忙しい彼女の代わりに彼を迎えに行くもう1人の自分、セレナを生み出した。