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【闇の魔法使い】カース

...ルルカの放ったミラクルソードの一撃は カースの放ったカオスプロミネンスを両断し、カースを打ち倒した 空を覆っていた暗雲は晴れ、魔法学校に光が差し込む ルルカはカースから水晶竜の心臓を奪還し、地下室に封印されていた教師達を解放する 勝利の喜びを分かち合う魔法学校の生徒達 教え子達の成長に感動する教師達 ...その背後で、地に伏したカースは最後の力を振り絞り魔法を詠唱する 狙いは魔法学校校長、賢者ラウリー 急所に目掛け、鋭い貫通魔法を放ち一瞬にしてその命を奪おうとしていた 今まさに、詠唱を終えようとした... ...瞬間、カースの後頭部に走る鈍痛と衝撃 カースの最後の魔力が霧散する カースの後頭部に直撃し、そのまま宙を舞う ...ルルカの、盾 カースはあまりに直球な魔法の妨害に驚きを隠せなかった そしてルルカはキメ顔で言い放つ 「...詠唱が遅い...っ!」 カースは愕然とした 「ま...まさかこんな奴に...我が野望が阻止されるなど...む...無念... ...極端に無念...」 その後、カースの身柄は王国の警備隊に預けられ、そのまま王国の監獄へと収容された それから、幾日が経った夜であった カースの姿が、忽然と消えたのである 脱獄を疑った看守たちであったが、彼らの背後に赤髪の少年が突然現れた 「あァ、あの魔法使いのことなら心配いらなイよ アレはボクの欠片の特異個体、言うなれば突然変異を起こシた『出来損ない』サ 役に立たなイからボク自ら消しておいたのサ」 唐突の出来事に呆気にとられている看守達を後目に、赤髪の少年は監獄を後にする 「...それにしテもあの魔法剣士、なかなか素養があるねェ もう少し成長したラ、利用する価値はありそうだねェ」 赤髪の少年はそのまま異空間の彼方へと消えていった