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【償いを探し続ける者】ノーム

夢よ貴方は素晴らしい。 本当に本当に美しい貴方を私は誇らしく思うよ。 夢よ私の力よ、すまない私は貴方を汚してしまった ああ馬鹿な私よとても幼く純粋な私よできることなら私はお前を殺したい。 彼は夢を見ることのできる異能を持っていた。 他人の自分の夢に入り込み、閉ざされた可能性の世界、幻想だけの実体を持たぬ世界に干渉することができた。 また身体に触れた相手を夢に連れて行く事も出来た。 美しい力だ、初めからただ美しいだけの力だった、だがその力を使ってあげるモノを誤った。 ある夢でアレと出会った、海を漂う瓶の世界で身体の大きな少女だ、アレは泣いていた。 生まれた時から瓶に世界を閉ざされていたらしい、瓶以外の空気を知らず、瓶以外の地を知らない。 純粋な彼は可哀想だと思ったのだろう、アレに伝えた「私が君を外に出してあげるよ。」、アレは言った「ありがとう小さな王子様」。 アレの身体に触れ、夢が覚めた。 夢から覚める直前聞こえた声「貴方をきっと探すから」 彼は考えなかったのだろうか、夢の中の住人、閉ざされた幻想の住人に形を与えてしまう危険性に。 アレは形とともに力を得た、忘却と霧化、意味を壊す力。 アレは力に気づいていない。 ある日空が波紋した、水面のように。 その日彼の償う旅のきっかけが生まれた。 世界の意味は壊れた。 アレに罪は無い、不完全な形を与えられ身体が所々壊れてしまっているのに、ただ感謝を伝えるために。今も目の前を霧を払うため、小さな王子様を探すために手を動かす。 故に悪いのは全て彼だ、罪を背負うべきは彼なのだ。だから許しを乞い呪われ償いアレの下に辿り着け。