「あぁ?ごちゃごちゃ言ってねぇでさっさと始めるぞッ!!!」 「クソ……ここまでか……」 【セリアの本】 …アタシに他者より秀でたもんなんて数える程も無かった。赤い霧のように圧倒的な強さがある訳でも無ければ、紫の涙のように特殊な技術を持ってるわけでもない。唯一誇れたのは打たれ強さと、諦めの悪さ…それだけだ。耐えて、耐えて、耐え続けて…そして殴り返してやるんだ、アタシに喧嘩を売ってきた奴に。アタシは頭が良いとは言えない、だから必死に耐えて機会を伺うんだ…アタシでも分かるような機会を。そうすればきっと上手くいく。今までもそうしてきたし、これからもそうするつもりだ。 …そして、いつかは…アタシの生まれの区の…いや、この都市の裏路地で死ぬ子供を少しでも減らす…いつか、必ず…アタシでも分かる機会を待って……その時まで、耐えて耐えて耐え続けるんだ。そうすれば全て上手くいく、それだけがアタシの取り柄なんだ。