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《禁忌の死術士》サラサ・マヌンサ

父も母も死霊術士だった。彼女にとって彷徨える霊魂は人懐こい小鳥と変わらなかったし、踊る骸骨は愉快な隣人だった。 幾つかの歳を重ねて死霊術が禁忌である事を理解した。外道の術を扱う自分はきっと陽のあたる場所には出られないであろう事を彼女は切なく思ったが、しかし死霊術以外に自分に出来る事など何も思いつかなかった。 暇な時はよく薬の調合をしている。いざとなったら薬売りで生計を立てられないかなぁ、などと密かに考えたりしているが、怪しい薬ばかり作っているのでおそらく叶わぬ夢だろう。 死体操作で操るのは断然スケルトン派。 極限まで無駄を削ぎ落としたその姿は洗練されていて美しいし生前どんな容姿をしていた者も骨になってしまえば画一的な姿となるのが好き。でもよく見るとやっぱり個人差があるのもそれはそれで良い。くすんだ白色は素敵だし持ち運びも可能で骨の鳴る音は心が安らぐ。何より強くてかっこいい! ゾンビは臭いし汚いし見た目が怖いし汁気があるしで積極的に使役する程ではないかな……と思っている。 自分の身なりの不潔さには無頓着。