「私の拳で葬られることを… 誇りに思え」 360cm ???kg ジム「熱血堂」所属、現マッスルキング。その拳は全てを破壊する。 ─0歳 佐藤は産まれた時、産声を上げなかった。心配した看護師が彼を抱き上げようとした時、その小さな瞳から一筋の雫がこぼれた。漢としての使命、この地に降り立った運命を感じ、涙を流した。これが彼の、最初で最後の涙だった。 ─1歳 この時既に、ミルクは飲んでいなかった。代わりに近くの森へ入り、野獣を数匹狩って捕食していた。 ─5歳 誕生から数年が経ち、既に母親の身長と体重を超えていた。 ─12歳 天与の捕食者である彼の元に、1人の王が駆けつけた。後に彼の師匠となる、不枯木空良(かれずき あきら)である。新たな王誕生の予感を、世界中が感じた瞬間だった。 ─25歳 不枯木が消された。それは敗北では無い。死亡でも無い。歴史から抹消されたのだ。真実を知っていたのは、佐藤皇大狼ただ1人。家族の罪を庇い、冤罪で逮捕された。「マッスルキング」の掟を破ったのだから、仕方ないことだ。 ─26歳 「次のマッスルキングはお前だ 皇大狼」 男は王になった。突然の事だった。 だが、当然であった。この時点で既に、彼に勝てる者は誰1人としていなかったのだ。現マッスルキングの、誕生の瞬間である。 ─58歳 宇宙最強の魔人「ストレス」と対峙し、一方的にボコボコにした佐藤。マッスル連邦三幹部長からの報告によると、150億年前に封印された魔神が蘇ったらしいと。それを倒せるのは佐藤しかいないと。佐藤は承知した。その後、復活した「魔神ラテラル」を、最強の一撃で葬った。その際右腕を失い、「マッスルキングの掟」を破ってしまった。 ─そして 「次のマッスルキングはお前だ 真刷」 最強の拳と、受け継がれる意思。 新たな王の誕生である。