ログイン

【神堕ろし】オルファナ・プロドティス

神は嫌いだ。 天界で偉そうな態度で下界を見下し、 人の歩みを嘲るような野郎は。 神は救いを与えるって言う奴は大勢いる。 それなら、なぜあんな愚王に尽くしてきた 俺の親父を救わなかった? 国を復興させ、人々の営みを再開させた、 最高の宰相で、たった一人の最高の家族だった親父を俺から奪った? 神は全知全能なんだよな? 全部知っていたんだろ? 俺の親父が王に騙されて職を失い、 奴隷同然の生活を送っていたことを。 俺の目の前で、 俺を守って野党に殺されたことを。 なんで真っ当に生きてた親父は死んで、 性根の腐った愚王は生きているんだ? 力を持つものが、力を持たぬ者を支配し、 操り、そのうえ使えなくなったら捨てる。 力を持たぬ者は何もできず、ただただ 黙って強者に従うだけ。 それが世の理だとかほざく輩はいる。 だがそれは弱者の言い訳だ。 力がないから奪われて、 力がないから蔑まれ、 力がないから苦しんで、死ぬ。 そんな世界、俺は耐えられない。 力がないなら、 どんな手を使ったとしても手に入れてやる。 得体の知れない悪魔と取り引きしようとも。 俺自身が悪魔になろうとも。 清き者が安心して暮らせるように、 悪しき者をこの世から抹消する。 そのためなら、神だって殺してやる。