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《錆鉄の魔女》製造番号『30682』個体識別名『А.А.』(Artificial Angel)

「最初に見たのはガラスの水槽 栄養と薬剤を満たす培養層で私という命が造られた」 またひとりぼっち誰のせいで 思い出の重さが痛くて 双方向に行き止まったやり取りだけ どこか遠くに捨ててきた 新しいことを学ぶたびに 足りないものばかりが増えてく 夕暮れを知らなかったあのころ なら震える夜も来なかった 求めてしまうのは心があるから 錆びてしまえ 朽ちてしまえ 全部 どうせ消えるものならば 手招くのは 希望の紛い物 騙されたいと願うくらい 壊れてるんだ 心が 終わるまでRUST 「私は人形、感情を持たず願いも持たない使い捨ての実験道具」 「なのにあなたと話をするたびに言葉にできない何かが増えていく」 「あなたにさよならを言うたびに胸が痛くなるのはなぜですか」 「私は人形、壊れたら捨てられる実験用ホムンクルス」 「私が死んだらあなたは泣いてくれますか」 錆びてしまえ 朽ちてしまえ 絶えて 静けさだけ残るなら 胸に刺さる愛しい棘すらも 抜け落ちていくだろうけど RUST IN PEACE dear.. 「あなたと沢山の話をした 沢山のことを教えてもらった」 「なのに思い出すのはあなたの顔ばかり」 「きっと私は欠陥品なのでしょう」 「だって目を閉じるとあなたが見えるんです」 「怪我もしてないのに胸がこんなにも痛いんです」 「あなたはもういないのに・・・ あなたを忘れられないんです・・・」 「私の中に生まれた何かが私を壊そうとする」 「これがあなたがくれようとした心なのですか」 「これが、こんな物が心なのだとしたら」 「こんな物のためにあの人が犠牲になるのなら私に心はいりません」 「私が欲しいのはひとつだけ」 「あの声を、あのまなざしを返してください」 「あの人を返してください…!」 錆びてしまう 朽ちてしまう 全部 大切だったはずなのに こぼれ落ちた 砂粒の涙は私のかけら 「錆び付いた世界の真ん中であれからずっとあなたを想っている」 「あなたがくれたのは人形には不要なはずの大切な不純物」 「私が死んだらまた私を造ってくれますか」 「またあなたに会えますか」