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救世の勇者レン

レンは魔王を倒し世界を救った。 物語ならそこでハッピーエンド、大団円。でも、現実はそんな簡単じゃなくて。 世界を救った勇者は色んな戦争や紛争に駆り出され、新たな人類の敵が現れれば戦わされる。 人々はそれを当たり前だと受け止めている。 だって勇者なんだから、と。 六創主より遣わされたアウラは魔王を倒した後も天界に戻らずレンと共にいる。 そしてレンの傍でアウラはずっと見ていた。 幼き魔王を悪だから、人々が望むから、と刃を突き立て涙したのを、紛争地域でテロに会い、自分を庇って死んだ魔術師のことを、世界の平和を祈り、世界を託して死んだ僧侶を、子供を攫った魔物を倒しても子供は死んでいて、何でもっと早く来なかったのか、と村の人々に石を投げられたレンを、ずっとずっと見ていた。 最初はお役目だった。 お調子者でどこか気弱な彼にイライラしていた。 何度も助けられて、いつしか目で追っていた。 辛くても勇者だからと言って頑張る彼の姿を。 そんな彼を支えたかった。例え一時しか交わらない人と天使の寿命の差があったとしても。 彼をその目に焼き付けていたいと思うほど愛してしまった。 世界も神も人も誰もが彼を勇者だからと戦わせる。だから、私が守る。誰もが守らない彼を守る。たとえその先に悲しい結末しかないとわかっていても。