冷気を操る仮初の身体を持った少年。 元々は普通のどこにでもいそうな少年だったが、ある日父親が乗る車に乗ってお出かけ中に交通事故に遭い死亡。霊となり成仏するはずだった彼だが、何故か冷たい雪山で目を覚ます。 「あれ…?僕、生きてるのか…?」 てっきり自分は衝突で死んだものだと思っていた澪は、その身体に驚く。何故なら身体の一部が結晶化していたからだ。 「何なの…これ…!」 戸惑いを隠せない澪だが、その時心の中から誰かからの声が聞こえてくる。 「狩れ…!亡霊を…狩れ!!さすれば汝の魂は正しき肉体をつけて蘇るであろう」 謎の声に戸惑う澪だが、彼の腰には謎の青いベルトが巻かれていた。「亡霊を狩れって、一体どういうこと?」そう悩んでいる内に景色はいつもの街の風景に戻る。 「何だったんだ、今のは…」 安堵したその瞬間、目の前に突然異型の怪人が現れ澪に襲い掛かってきた。 「な、何だよ!?うわっ!!」大きな鉄の鎌を振り回してくる相手にたしろぎ、追い詰められる澪。しかしその時、こしのベルトガ青白く光り輝く。 「な、なに…これ…」 気が付くと、両手には蒼い氷の剣とダイヤモンドの盾が握られていた。 「キャキャキャ、お前も亡霊だったのか。まだ子どもなのに可哀想になあ。でも悪いが、俺も生き返りたいんでな。死ねェ゙!!」 そういって鎌を振り下ろしてきた途端、澪は反射的にダイヤモンドの盾で攻撃を防いだ。 「な、なにっ!」 「何だかよく分からないけど、お父さんが待ってるんだ!!」 ーその時、凍てついていた運命が動き出した。待ち受ける未来を前に、幼き瞳は何を観るー