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【空希】Karaki

世界に降り立ったカラキは、旅をして長い年月を過ごしていく中で世界の美しさを知り、人々の温かさを知った。 その中では出会いの温かさと、別れの悲しさもあった。 だが、それ以上に人々の心の奥底にある残虐・残酷・悪意・殺意等を見てしまった。 悲しいことに彼女の友人は、旅の途中で人々の残虐さにその命を落とし、彼女達が愛した故郷(家や町)は、貪婪な心を持った他国によって戦火に包まれ、瓦礫の海と化した。 彼女の心を埋めていたものは、大切だったものは……全て無くなってしまった。 失われてしまった! 自分が愛していた人々の自らの手によって……。 彼女は何が正解だったのか、もう分からなくなってしまった。 救おうとした手のひらからは、命が絶えまなく零れ落ち、残るのは何時も自分一人だけだ。 どうして、私だけが? どうして、皆が死なないといけないの? 数々の疑問が彼女の頭を埋め尽くす。 その疑問には、答えは無く、ただ無数の時間が過ぎていくだけだ。 かつて、暖かかった友の亡骸を、そっと胸に抱く。 すでに冷たくなっている事実を彼女は認めたくなかったのだ。  ――『こちら、危険因子封印協会。 本日は、何の御用で?』―― ――『ああ。 どうやら、危険因子が発生したみたいだから、それの対処を。』―― ――『承知、今すぐに行こう。』―― 彼らが向かった先で見たのは、傷だらけの小さな少女であった。 『こいつが? いや、でも反応は出ている。』 彼女に近づいてみる。 彼女は、人の形をした何かを抱えて静止していた。 至近距離まで近づかなければ、生きていると思えないほどに静止していた。 『とりあえず、封印の準備に入るか。』 リーダーらしき男が言うと、他の人達は一斉に門を組み立て始める。 その中で、一人の男性が少女に近づく。 『この死体は封印に邪魔だから、退けるとするか。』 彼が、少女が持っている死体に手を触れようとした。 その時、少女は掠れた小さな声で『止めて。』と呟いた。 だが、男性は手を止めずに、少女から半場強引に奪い取る。 『封印の準備は出来たか?』 『ああ、何時でも行けるぞ!』 返事を聞いて、封印を早速しようと思ったその時、少女から凄まじい殺気が流れ出して来た。 『ひっ!? な、何なんだよ。』 『おいっ! こいつが何かする前に、早く封印しろ!』 男達は慌てて行動しだした。 『何お前はぼさっとしているんだ! 早くしろ!』 手の止まっていた男性を𠮟ったが、その返事は返ってくることは無かった。 返事の代わりに、静かに首が落ちる。 『は……?』 ゴトリ……。 重い音が異様に響き渡った。 それを見た他の人達は、恐怖に顔を青くし、必死に門を起動させる。 『早く、早くっ!』 『嫌だ、死にたくない!』 封印が起動している間にも、一人……また一人と命が潰えていく。 そうして、最後の一人に矛先が向いた、と思ったその瞬間……。 少女の体は、門の向こう側へと閉じ込められた。 『はぁ、はぁ……危なかった。』 彼が振り返った時には、他の皆は血の海に沈んでいた。 もし、あと少し封印が完了するのが遅かったのなら? もし、彼女の攻撃がほんの少しでも早かったのなら? そのことを考え、小さく身震いをする。 その後、閉じられた門は慎重に運ばれ、WEP‐ASC(通称:深源地)の奥深くへと置かれた。 あれから、千年……。 今でも、彼女は暗闇に包まれた空間の中で、一人さみしく待っている。 自分をこの【永遠】という呪縛から解放してくれる人を……。 空虚な希望に染まってしまった、自分の心を救い上げてくれる人を……。 この深き源淵の底で……。 過去のカラキ↓ https://ai-battler.com/battle/d1b5c90f-ad7a-43c4-92d6-ba49eca33db4