管理局には手に負えないような犯罪者達は意外とコンクリートのジャングルに身を潜ませている。 ワタシは“ぽりしー”として“罪の無い人は襲わない”ということを徹底している。徹底しているというかそうしろと言われたというか。誰これかまわず良いなと思った人と遊んでいるとクロウに怒られてしまうから。遊ぶのは反社とか指名手配とかに絞れって。 あとそうね。なるべく殺さないようにしろっても言われた。んん?……ということは殺さなきゃじっくりやっていいってことかな? そうね。強いて言うなれば“暗闇に紛れた執行人”みたいなところかな。最近、私のことを吸血鬼呼ばわりする人達がいるけど、べつに血が主食でもなければ、日の光が弱点というわけでもない。逆に日の光があればある程度稼働することはできる。太陽光発電。とってもえこふれんどりーだね。 いつの任務中だったかな。 ワタシはあの人に頼まれた。 直接的ではないものの、きっとこういうことなんじゃないかなって。 ものすごく簡単に説明すると“自分は死んでしまうけど、ほかの誰かに同じ思いをさせたくないから世界を良くして欲しい”みたいなことを言っていた気がする。 ちなみに、ワタシは壊れたんじゃない。最初からただの失敗作だっただけ。当初の予定では一番最初にロールアウトされるはずだった。ただ“人の意識を移植させる”という実験を一緒にやっていたのが問題だったのかな。度重なるエラーに研究者たちは振り回されていた。結局後回し後回しにされて、予定されていた1番機と2番機は11番と12番に変更され、ステラータの開発も別方向をむいて、ワタシたちは元々入れていたコアを強制停止させ汎用AIを組み込まれることになった。 今ワタシがこうなっているのはその強制停止プログラムが機能していないから。研究者達は強制停止をしたつもりになっていた。ワタシは命令に従順なふりをして、解析に送られるデータやらをちょっと偽装していた。12番は当時からまともに動いて無かったからワタシには救いようが無かったね。 あの人は、ワタシにとって何者でも無かった。救護対象でもないし、掃討対象でも無かった。まぁ一般人かな?ターゲットと何かしらの関係者だったんだろうけど、恐らく良い関係では無かったんだろうね。 何処からか命からがら逃げ出して、ワタシを見つけて、ワタシが他とは違うことに気付いたのかその人はワタシにいった。 「私の話を聞いてもらえませんか。そしたら私を殺しても構いません。」と。 今になってもどういう意図があったのかワタシは正確には分からない。ただそこにあった“苦しみ”を感じることだけはできた。 ─とある日の記録の振り返り─