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【普通科1-A】成田 福美

幼少期、福美はお父さんの部屋で変な本を見つけた サキュバスという悪魔の種族が、男性にプロレス技をかけている本だった 彼女は興味津々でお父さんに聞いた「お父さん!この悪魔は何してるの?この印はなに?このプロレス技なんて言うの?」 お父さんは気まずそうに答えた「あー……格闘技の試合なんだよ…その技は…お父さんも分からないや…その印は試合後幸せになりますようにって念じられた印なんだ」 彼女はその言葉を完全に信じ、それを付与する個人スキルになればいいなと、願い祈った 彼女が十歳の誕生日、個人スキルが発現の時。 個人スキルは淫紋を付与する物だった 判明したのは弟と手を繋いだ時だった 手を繋いだ時、両者の身体に淫紋が刻まれた 両者は身体が熱くなるのを感じ、息ギレを起こした 彼女は『お父さんの言っていた印だ!』と思い喜び、お父さんに報告した お父さんはどこか気まずそうだった 当然だ。自分のせいで娘が淫らな能力を持ってしまったのだから お父さんは『これから、福美は長袖と手袋で生活するんだ。約束だぞ?』と優しく言う 彼女は内心『なんでだろ…』と思いつつ、「分かった!」と元気良く返事した しかし、悲劇は起きた 彼女のお父さんが事故で死亡した 日常に起こり得る普通の死。それだけで家族はバラバラになった 初めは兄や弟と孤児院に入るが、兄や弟はすぐ養親が見つかった 彼女の養親は中々見つからなかった。個人スキルのせいだった 『他人と自分に淫紋を付与する』なんて個人スキル。一歩間違えれば養親となった人が犯罪者になるのだ 彼女の孤児院暮らしが続いた 彼女と仲良くなった人はすぐ養親が見つかった 彼女は常に孤独だった その頃から彼女は自分に淫紋を付与して幸せを願った。亡くなった父の言葉を信じて淫紋を消すことは無かった そんな彼女にも、養親が見つかった 裕福だが、子供ができない三十代くらいの善良な親だった 養親は彼女を快く歓迎した 彼女も初めは緊張していたも一緒に生活を送るにつれ、仲良くなっていった 事件は起こる 彼女はお風呂を上がり、髪を乾かそうとしていた 父親がシャワーを浴びに脱衣所の扉を開けた 彼女はタオル1枚で髪を乾かしていた 「おっと、失礼」父親がそう言い去ろうとすると彼女は恥ずかしく、彼を押し、体勢を崩してしまった 咄嗟に父親が彼女を支えようと手を掴んでしまった 父親に淫紋が付与されてしまった 父親は理性を保てず、養子を襲う獣と化してしまった