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冒険者を夢見るポーター─ヤンロイ:犬獣人の少年。ポーター(荷運び)として冒険者達に同行するのが仕事。

貧しい家に生まれる。 子供の多い家だったこともあり、8歳の頃には家を出てポーター組合宿で生活を始める。 そのことを不幸だとは考えていないが家族を恋しく思う気持ちはある。 ポーター仲間や冒険者からいろんな知識や技術を教えてもらっている。ポーターにはいずれ冒険者になろうという夢を抱くものも少なくない。ポーター仲間で集まって将来を語り合い憩うこともある。 ヤンロイがポーターを始めたときに指導役として付いたのはマルカという虎獣人だった。 マルカはヤンロイに最も多くの知識と技術を授けた存在だった。マルカはヤンロイと1年ほどペアで仕事をしたあと、ポーターを辞めて冒険者になった。ヤンロイは羨ましく思いながらも大切な仲間の門出を祝った。 ヤンロイが次にマルカを見た時、彼は棺の中で横たわっていた。わずか一ヶ月だった。 死者を見ることは初めてではなかった。 知った人の葬儀も初めてではなかった。 落ち込み、将来に迷うのも初めてではなかった。 それでも、動揺し、祈り、悲しみ、涙を流し、悩み、想い… ヤンロイは、マルカの無念を背負い、必ず立派な立派な冒険者になろうと、なってやろうと、改めて決意した。