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【敵を背負いて己を超える大悪魔】 “ムーンショット帝国中将” シャンポート・ヴァン・アヴァル

シャンポートは我が子供達の中でもとても良い性格をしている。 パラナなら狩った獲物をポチポチのエサにするだろう。エナブロなら獲物の命の最後の一滴まで吸い尽くしてしまうだろう。しかし、シャンポートはしっかりと火葬してあげる優しい子に育った。 魔法の練度はまだまだ、物を伝わすだけに過ぎないが、いつかはエナブロやこの私のように大陸を跨いで火球を落とせすことができると信じているよ。 「なに父さん。俺の魔法はまだまだだ、って聞こえたけど?」 はっはっは。そう焦るな。お前には才能があるんだ。 「それは当たり前だよ。父さんの子だし、俺には倒せない奴はいないね。」 そう。この子の個人スキルは無敵だ。この私の闇魔法ですら互角が精一杯。あの元帥も良い眼をしているものだ。  この子の個人スキルは逆事。字数制限だったかな?その為に漢字表記ではあるが、読み方はデスロットと読む。 能力は、選んだ一人をシャンポートの個人スキルにするというもので、効果を発動するには相手に背中を見せなくてはならない。ふふふ。私はシャンポートは背中を見せる時の視線が好きでね。いつにも増してとても艶っぽい目つきをしているのだよ。いつか君も見てみて欲しいものさ。 おっと、話が逸れたね。シャンポートの個人スキルになるということは、シャンポートの支配下になるということ。自我のあるまま、体を勝手に使われるということだ。だから、背中を向けたまま勝負は終わる。運の悪い相手は、おお、可哀想に。自分の能力で様々な自殺を決めることになってしまうのだ。 もちろん、抵抗もできる。逆事の解除条件は“シャンポートが攻撃を受けること”で、傷が付かなくとも当たれば条件を満たす。錯覚させても条件は満たされてしまう。個人スキルにされたとしても、シャンポートへの抵抗はできる…まぁ、パワーが1:1な以上、相手の個人スキルはシャンポートに相殺されるか、向きを反対にされるかのどちらかだから、あの子の剣術とパワーの高い炎に勝てるかどうかが勝負の肝になる訳だな。 基本、個人スキルは使えない、魔法も弱点を突かなければシャンポートの方が上、剣術も元帥仕込みの超絶技巧を超えなければならない。ははは!素晴らしい!これでこそ我が子だ。これでこそクラウンキッズに選ばれし、シャンポートに相応しいスキルだとは思わんかね? 「父さん、相応しくなんかないよ。俺はもっと強いのが欲しい。逆事は完全に相手の制御を取れないから、大声で叫ばれると面倒なことになるし、タイマン以外じゃ使い物にならない。今はまだ、まるで大きな手で無理矢理掴んで言うことを聞かせてるみたいな状態なんだよ。」 そうだな、可愛いシャンポートよ。いつか来る覚醒の時をじっくり待つとしよう。アンナキちゃんに頼んで、あのリボーンアンデットにでも相手して貰おうか。 おっと、すっかり忘れていたよ。 帝兵証 階級 中将 兵名 アヴァルの名で十分。 名前 シャンポート・V・アヴァル 所属 クラウンキッズ 個人スキル 有 《逆事》(デスロット)  背中を見た者を対象に、自らの個人スキルとして扱う能力。 個人スキルになった者は体の大部分の自由を奪われ、個人スキルの操作権限も半分握られる。1対1において最強に近いスキルであるが、一撃でもシャンポートが被弾すればこの能力は解除される。 そのため、戦地では最大限活かすことができないと考えられる。