ログイン

沈黙の執行者

彼は愛するものを失った。 奪われた。 なんともない平穏な一日だった。 壊された。 愚かな生命の手によって 奪われた。奪われた。奪われた。 彼は狂ってしまった。 壊された。壊された。壊された。 その目に映る全てのものを奪い、壊し、奪い… 今や彼にはもう心もなくまともな身体もない。 しかし彼の魂は未だ救われてはいなかった。 彼の魂は鎧に縛られていた。 空の鎧は彷徨った。 やがて、奪ったものの体を新しい器として力を得る事にした。 使えなくなったものは取り替え、養分にする。 弱い器はそのまま養分にした。 何度奪っても、彼は救われることはない。 何度奪われても、彼は止まることはない。 彼は今日も独り、何かを探し、何かを目指す。