ある夜、コーラルピンクの髪にあほ毛が特徴的な少女、ルビィ・コーラルハートが宿の窓から外を眺めていた。 「綺麗...」 その日は雲一つない夜空が広がり、街灯の少ない街からは満天の星空を見ることができた。 今夜は、1年で1番星が綺麗に見える日らしい。街の人からそんな話を聞いた彼女は興味を持ち、夜更かしすることに決めたのだ。 「何だろう...?」 ふとルビィが気が付くと、水平線の向こうにひときわ眩しく光るものが見えた。一瞬、流れ星かとも考えたが、それは打ち上げ花火の様に空を上っている様に見えた。 激しい光と共にみるみる近づいてくるそれは、ルビィの上を通り過ぎそのまま燃え尽きるように地平線の奥へと消えていった。 ふと気が付くと先ほどの光の軌道から、何か光るものが落ちてきている。ルビィが手を伸ばすと、それはルビィの手のひらに収まった。 「石...?」 石にも金属片の様にも見えるそれは何かの欠片の様で、かすかな光を湛えていた。ルビィはその欠片から不思議な暖かさを感じていた。その光に包まれたところから温もりが広がり、希望が満ちてくるようであった。彼女は、その欠片を大事そうに袋に仕舞った。 幸せな気分になったルビィが「明日も頑張ろうっ!」そう思い、布団にもぐろうとしたその時だった。 「ぐぅぅ~~~」 お腹から聞こえてくる大きな音。彼女は少し頬を赤らめ、置いてあったお菓子に手を伸ばした―――