黒棘のリカントロープ

夜と共に在り、夜に生きる彼は旧くより人々を見守る存在であるという。 時に挑戦者として、時に試練として、時に庇護者として。或いはもしかすると、親友や恋人として。 此れはきっと、無数の形を取って貴方の前に顕れる。 ──安寧たる夜の恩寵を喪う時、此れは死棘を生じさせる。 夜の湖面めく鏡の在り方は罅割れる事はないが、同時に覗き込む者の命を刈り取ろうともしない。