【手帳の内容】 私は今、乱れた思考をまとめようと、この手帳に私が知っていることを書いている。 この最近の謎の症状が広まる事態について、私は祖父から昔から耳にしていた話を思い出した。 それによると、500年以上前にも尊美島で同じような出来事があった。 死者のような人間が、生者を襲う。 祖父が強調していたのは、それは単なる病気ではなく、呪いだということ。 うろ覚えだが、その話の結末は、盲目の巫女と武者が人々を呪いから救った…という話だったはず。 私も含め、誰もがその話をただの迷信と考えていたが、現状を見る限り、何か信憑性があるのかもしれない。 博物館にはこの島の歴史についての資料があったはずだ。それで何か手がかりが見つかるかもしれない。 これは単なる病気なんかじゃない。時間がない。 呪いを、解かなくては。博物館に行くんだ。 クソ、噛まれた腕がやけに痒い。痒い、段々頭に、モヤがかかったみたいに。思考が、まとまらない。何が神の像だ護ってくれない。役に立たない。ふざけるな。お前のせいだ。俺は。医者。病院。速くレスキュー隊に。無駄。(字が汚くなってここから先は読めない)