彼女は人間と魔族のハーフである。 それが災いし、魔族しては身体能力・力が弱く、人間にしては肉体がでかいと差別され、虐められてきた。 そんな娘のため、償いのため、両親は魔族・人間共々から隠れ、彼女達家族は山奥で生活していた。 違うことはわかっていた。 小さい頃から人間とは身体の大きさも違うし、力も魔力量も違うから。 それでも私なりに精一杯頑張ってきたつもりだ。 だけど5歳の誕生日、事件は起きてしまった。 私の誕生日のために、母上の兄上様のご子息が私達の王宮に入ってきた。その子は、兄上様がいる時はまだ礼儀正しくて、優しい感じがしていた。 しかし、両親・兄上様共に部屋からいなくなると態度が一変。 一気にふてぶてしくなり、私を徹底的に貶し、虐めてきた。 痛い、怖い、怒り... 様々な感情が湧き上がってきたけど、まだ耐えることができた。 でも、彼はついに言ってしまった。私の琴線を破り裂く一言を。 「ったく。こんなくだらない、つまらん奴を産んだアイツら。何て価値がない奴らなんだ。」 ...は??? 「〜それなのに一端に顔と体だけは良くてさ。特に、あの触り心地良さそうなむ... ...お? 何だ? キレたのか? ハッ、プライドも高いのか。 安心しろよ。俺が後2年もしたらお前ごと貰ってやるから。」 反射だった。 考える前に体が動いていた。 気が付けば私は、その大きい身体を持って、ソイツの首を ─絞め殺していた。 そして私は、 恍惚な笑みを浮かべていただろう。 その後すぐ、私の処遇は決まった。 王族を殺したのだ。当たり前のように死刑。 私も受け入れる覚悟はできていた。 しかし死刑執行前日、私の死刑は取り消しになった。 なぜ? 答えはすぐわかった。両親が共に罪を背負ったからだ。 そうしてすぐ、私達は王国から追放処分を受け、この人気のない山奥へと移り住んでいる。 今までならご飯を食べようと思ったら、準備されていて、 掃除は従者さん達がしていたし、 毎夜踊り子さん達の踊りも見る事ができた。 まさに華美な生活だった。 ...急にこのような質素な生活になって、辛いはずなんだ。 私の、私が、殺ってしまったせいなのに...。 辛さは飲み込み、私も優しく、傷つかないように包み込んでくれる。 その心が、愛情が、 ...私は、ただただ嬉しかった。 《魔法使いになった理由》 ある時、こう思った。 「このまま、両親二人に助けて貰っていいのか」と。 もちろん、結論は 「いや! そんな迷惑をかけてばかりではいられない!」 それから魔法の特訓を両親には秘密裏に行い、16歳の誕生日の時、初めてお披露目した。 その際、両親のためになりたい旨を明かし、探索者として仕事を行うようになった。 最近は魔法使いとして、日々独学での修行に励み、両親のためにお金を稼ぎに行っている。 ─こんな生活がこれからも続いていくと、 願いながら。