ヴァリルとの死闘 暗闇に包まれた廃墟の闘技場。埃っぽい空気が張りつめ、金属の軋む音が響き渡る。中央にそびえるのは、無骨な機械の巨体――ヴァリル。会話も感情もない、ただ戦うための存在だ。その装甲は鈍い光を放ち、参加者たちを見下ろす。 グルーは絹のような長い緑の髪を風になびかせ、青い瞳でヴァリルを睨む。科学を信じず、全てを否定する男だ。「機械? そんなものは架空の産物だ。明日には色が変わる幻さ」と呟き、彼の周囲に不気味な歪みが広がる。一方、不完全なE.G.O.フィリップは感情を押し殺した表情で立つ。橙色のひび割れた巨大片手剣を握り、右手から右肩にかけての鎧が微かに輝く。左側の大きな片翼が静かに揺れ、彼の固有E.G.O.――後悔までも力に変える自我の殻――が静かに息づく。 ヴァリルが動き出す。まず盾形態へ移行し、トーチカのような硬い装甲を展開する。【完全防御】を発動。微動だにせず、参加者たちの攻撃を一切受け付けない構えだ。グルーが先手を取る。「【能力?架空の話は信じない】!」彼の声が響き、ヴァリルの機械構造を「測定」する。だがヴァリルは純粋な機械――架空の要素などない。能力は空振りに終わり、ヴァリルは無傷だ。 フィリップが動く。【猛烈な突進】で片翼を羽ばたかせ、ヴァリルの側面へ高速で接近。翼で回避しながら、【ギラギラ燃える剣】を振り下ろす。巨大片手剣がヴァリルの盾に激突し、橙色の炎が迸る。火傷のダメージが10付与され、ヴァリルの装甲がわずかに焦げる。だが【完全防御】は完璧だ。傷一つ付かず、ヴァリルは反撃の準備を進める。【砲撃用意】でパワーを溜め始める。 ヴァリルが形態を切り替える。流線型の鉾形態へ。槍のような先端が大砲を形成し、素早い動きで突進。【穿撃】! 高速の突進がグルーを狙う。グルーは咄嗟に【物理法則?何故こうだと思う】を発動。ヴァリルの突進に「物理法則の紛れ」を探り、帰納法を崩して軌道を歪める。突進はわずかに逸れ、グルーを掠めるだけに終わる。だが衝撃でグルーは吹き飛び、壁に叩きつけられる。 フィリップが追撃。【羽の盾】を構え、片翼を盾のように広げる。ヴァリルの残り香のような余波を完全に防ぎ、逆に火傷を5付与。ヴァリルの装甲がさらに熱を帯び、動きがわずかに鈍る。フィリップの目には後悔の影がよぎるが、それを力に変えるE.G.O.が彼を駆り立てる。「これが…俺の殻だ」と独り言ち、【燃えたぎる一撃】の構えに入る。 戦いは激化する。ヴァリルが【殲滅砲】を放つ。逃げ場の無いレーザー砲が参加者たちを撃ち抜こうとする。グルーが叫ぶ。「【強さ?それは弱さだ】!」ヴァリルの強大な砲撃を「弱さ」に変換。レーザーの出力が急減し、ただの閃光に変わる。フィリップは【羽の盾】で身を守り、火傷をさらに5追加。ヴァリルの装甲は火傷の蓄積で赤熱し、内部機構が軋む。 ヴァリルは再び盾形態へ。【完全防御】で耐え、【砲撃用意】を重ねてパワーを最大化。参加者たちの攻撃を全て受け切り、秘密兵器の準備を整える。グルーは息を荒げ、「【存在も帰納法の上に成り立っている】!」と最後の力を振り絞る。帰納法全体を揺るがし、ヴァリルの存在を崩そうとする。機械の巨体が一瞬、揺らぐ。装甲に亀裂が入り、内部の光が乱れる。 だがヴァリルは止まらない。鉾形態へ高速切り替え、強化された【滅穿砲撃】を発動。全ての攻撃を防御した後、滅びの砲撃と共に高速突進。フィリップが【燃えたぎる一撃】で迎え撃つ。片手剣と片翼が展開し、火傷の蓄積(合計20以上)で尋常じゃない強化が施される。防ぎようのない一撃がヴァリルの突進と激突! 爆発が闘技場を包む。 煙が晴れる。フィリップの片手剣は折れ、翼は折損。グルーは肉体と精神が崩壊寸前、帰納法の反動で自滅しかけている。ヴァリルは傷つきながらも立ち上がる。機械の無感情な視線が、倒れた参加者たちを捉える。戦いは終わった。 勝者{ヴァリル}