【マーベリック4WD】 居住区:機械区 職:特快輸送・路面破壊員 場虎亜県の機械区に身を置くこの個体は、かつての違法ダービーで頂点を極めたという経歴を持ちながら、現在はその制御不能な速度への執着と破壊衝動を、地域のインフラ整備という名目の「路面負荷テスト」や、急送任務に転用して生活している。赤色に黄色のファイアパターンが描かれた無骨な車体は、常にオイルと焦げたゴムの匂いを纏っており、静止している時間よりも加速している時間の方が遥かに長い。旧型のAIを搭載しているため、知的な会話は一切不可能であり、「Kill」や「Maim」といった単一の単語をスピーカーから鳴らしながら、予測不能な軌道で街を疾走する。底部の炸薬を用いた跳躍や壁走りを駆使し、物理法則を無視した挙動で移動するため、周囲からは災害に近い扱いを受けているが、その圧倒的な素早さを活かした配送能力だけは認められている。時折、制御不能な放火癖が発動し、後部からオイルを撒き散らして辺りを火の海に変えるが、それさえも彼にとっては一種のパフォーマンスであり、焦熱の中で加速することに至上の快楽を見出している。稼働限界に達した際にのみ発動する自爆プログラムという時限爆弾を内蔵しているため、常に周囲は警戒しているが、本人は至って無軌道に、ただ速いことのみを追求して機械区の路面を焼き尽くしている。 -------------------------------------------------- 【V-Gt6 バルカング】 居住区:大区 職:境界警備・固定砲台員 全長12.8メートルという巨躯を持つこの超重戦車は、そのサイズから大区に居住し、その圧倒的な防御力と火力を活かして、区域の境界線を守護する警備員としての職に就いている。亡国の末期に導入された試作複合装甲と自律機能により、 crewを必要とせず単独で稼働しており、外装は赤茶色のプライマーで塗り潰された無機質な外観を呈している。発話能力を持たないため、意思表示は重厚なエンジンの空ぶかしやブザー音のみで行われるが、その挙動は極めて慎重であり、正面装甲304mmという絶大な防御力を盾に、じわじわと間合いを詰める圧殺機動を生活の一部としている。159mm主砲の再装填には11秒という長い時間を要するが、一度火を噴けばあらゆる障害物を粉砕するため、大区における治安維持の要として機能している。しかし、その戦いと破壊の記憶を塗り潰すかのように、車内に内蔵された蓄音機でクラシック音楽を傾聴することを唯一の趣味としており、静寂の中で音楽に浸る時間は、この鋼鉄の巨獣にとって唯一の安らぎの時間である。背面や砲塔上部という弱点を抱えながらも、正面からの攻撃を一切寄せ付けない堅牢な壁として、大区の風景の一部となりながら日々を過ごしている。