剣の響きが大気を裂き、二つのチームが激突する。戦場は耳をつんざくような叫び声と金属音で満ちていた。 チームAのリーダー、ザウバーは高く振りかざした戦棍で、自らのゴブリンたちを指揮していた。その背後には、無数のゴブリンたちが一斉に整列し、ザウバーの合図を待っている。 「攻撃開始!赤ゴブリン、前へ!」 赤ゴブリンたちが前進し、火を吹き上げながら勇者に襲い掛かる。炎が勇者の鎧に当たり、彼は後ろに飛び退く。「敵!?…ってこういう時に限って盾が無い!」彼は叫びつつも、瞬時に閃光斬撃波を繰り出した。半月状の斬撃が赤ゴブリンたちを翻弄し、次々に倒していく。 だが、ザウバーは冷静だ。すかさず青ゴブリンを指揮し、彼らを川の中に入れる。水に特化した彼らは、サイドからの攻撃を開始し、勇者の動きを阻害しようと試みる。 「勇者!注意だ!」と声を掛けたのは、勇者が見逃していた紫ゴブリン。太った体を揺らしながら、鈍重だが強力な力で、ザウバーの命令により大地を揺るがすような攻撃を放った。 「今度はそっちか!」勇者は素早い身のこなしで回避しつつ、ガードブレイカーを発動させた。それが土を突き破りながら、紫ゴブリンの防御を削ぐ。「これでやっとこいつに手が出せる!」 周囲の戦闘は一時、ザウバーの冷酷な計算と勇者の瞬発力で平行状態が続いていた。しかし、やがて局面が変わる。 「もっと数を増やせ、白ゴブリン!奴の足を奪うんだ!」ザウバーの叫びが響く。白ゴブリンたちは素早く動き出し、彼らの毒がついた武器で勇者を狙う。少数の襲撃だったが、その一撃が彼の肩を貫く。 「うっ、毒が…!」振り返る勇者は苦しみ始める。だが、その瞬間、彼の目の中に光が宿った。 「くるね、閃光!」そう言って、彼は再び閃光斬撃波を放つ。今度は白ゴブリンたちの一網打尽だ。激しい光に包まれ、彼らは次々に崩れ去る。 「まだ終わっていないぞ、勇者!」ザウバーが戦棍を振り上げ、全てのゴブリンたちを集結させた。「一斉攻撃だ!絶対に勝てる!」 「本気で来るか。でも、盾が無くても、諦めない!」勇者は脂汗を流しながら立ち上がる。「今からは私が全ての運命を決める!」そう叫びながら、全力でガードブレイカーを放つ----------- 果たして、魔族のザウバーの巧妙な指揮の前に、本当に勝機を見出すことはできるのか? それとも、勇者の不屈の精神が勝利をもたらすのか? しばらくの静寂の後、両者の壁が激突した。 防御を削られた青ゴブリンたちが一時的に後退し、ザウバーの混乱した心情が一瞬だけ露呈する。そのすきを突き、勇者は最後の閃光斬撃波を地面に向かって放つ。地響きが起こり、勇者の一撃で大地が揺れ、ゴブリンたちが混乱し始めた。 そして、勝負の決め手は、ザウバーの指揮ミス。赤ゴブリン達が不安を感じ、攻撃が遅れたその瞬間、勇者はとどめの一撃。「お前たちの指揮が揺らいだ時、俺の戦況が逆転した!」 錆びた甲冑の音と共に、ザウバーは地に倒れ、彼が率いるゴブリン軍も次々に敗れ去る。勝者の姿がぼんやりと浮かぶ。 勇者は最後の力を振り絞り、彼の勝利の名にかけて立ち上がる。 「俺の勝ちだ!」 戦場のクライマックス、勝利を手にした勇者は、痛みを抱きながらも誇らしげに空を見上げた。