白銀の世界。極北の海に浮かぶ巨大な氷原が、今日の戦場だった。冷たい風が吹き荒れ、足元の氷は時間と共にみしりと音を立てて溶け始めている。 そこに集ったのは、あまりにも不釣り合いな四者。赤いマフラーをなびかせ、サングラスを光らせるペンギン姿の男「しょうじ1/5」。黒白の愛らしい姿をしながら、底知れぬ絶望を纏った変異種「コテやん」。冷徹な眼差しでドローンを統べる王嬢「機傀 藍」。そして、水平線の彼方から音もなく現れた、都市伝説の体現者「戦艦No.?」。 「っはは!いい面構えの奴らが揃ってるじゃねえか!強い敵を求めてたところだ!」 しょうじが拳を打ち鳴らす。対する藍は、冷淡に言い放った。 「無価値な喧騒ね。母艦、排除を開始しなさい」 藍の合図と共に、空を埋め尽くすドローン群が展開される。αドローンが正確に標的を捉え、回避不能の攻撃を叩き込む。しかし、しょうじはそれを驚異的な身のこなしで回避し、同時に鋭い蹴りを繰り出した。 「こっからは俺のターンだぁ!!!!」 が、その蹴りが当たったのは、ぽてっと佇んでいたコテやんの腹部だった。 「クェ」 コテやんが短く鳴く。その瞬間、しょうじの足に凄まじい衝撃が走った。コテやんの【固定ダメージ】。防御も回避も関係なく、現実のコウテイペンギンの個体数分という絶望的な数値がダイレクトにしょうじを襲う。 「ぐあっ!?なんだこの威力は……っ!だが、まだだ!」 しょうじは致命傷を負いながらも、不屈の精神で立ち上がる。彼は神話生物さえ屠った男。気絶することなく、赤いマフラーを翻して再び突撃する。 その時だった。氷原の端から、空腹に飢えた巨大なホッキョクグマが乱入してきた。 「ガアアアッ!!」 「邪魔だ!」 藍が指を鳴らすと、βドローンが盾となり、ホッキョクグマの突撃を反射。そのままαドローンの集中砲火がクマを貫き、瞬時に排除した。しかし、その混乱に乗じて氷が大きく崩落し、足場が半分にまで減少した。 「……そろそろ、終わりにしましょうか」 藍が母艦へ指令を出す。α、β、γのドローンが幾何学的な陣形を組み、相手の体力を削り取る計算された攻撃を開始する。コテやんもまた、翼をわずかに羽ばたかせた。その「かすり」すらも固定ダメージとなり、周囲の氷を粉砕し、藍のドローンを次々と消滅させていく。 だが、戦場に静寂が訪れた。海の色が変わった。いや、海の上に「それ」がいた。 戦艦No.?である。 誰が、いつ、どこから来たのか。もはや誰も気にしなかった。ただ、そこに存在するだけで世界が歪むほどの圧力がかかっていた。戦艦の砲塔がゆっくりと回転し、光が集束する。 「なっ……なんだあのデカさは!?」 しょうじが絶叫し、藍が計算不能な数値に目を見開き、コテやんが「ゴァ…」と警戒を強める。 戦艦No.?から放たれたのは、無量大数の威力を秘めた能力光線だった。 閃光。それだけだった。 固定ダメージを誇るコテやんの皮膚も、不屈の精神を持つしょうじの肉体も、藍の堅牢な母艦とドローン群も、そして彼らが立っていた北極の氷原さえも、一瞬にして消滅した。防御、反射、不滅――あらゆる概念を、単純な「無量大数」という暴力的な数値が塗りつぶしたのである。 光が収まった後には、何も残っていなかった。ただ、海の上に静かに浮かぶ、正体不明の戦艦だけがそこにいた。 【勝敗の決め手】 しょうじの不屈性、コテやんの固定ダメージ、藍の物量作戦。どれも強力だったが、戦艦No.?の持つ「無量大数」という設定上の絶対的な火力と、「絶対に勝つ」という都市伝説的な特性が、全ての論理とスキルをオーバーライドしたため。 【優勝者:戦艦No.?】 戦い終わった後、戦艦No.?はなぜか擬人化した姿となり、暖かい店へと足を運んでいた。 カウンターに座り、特製の大盛り醤油ラーメンを注文する。湯気が立ち上る麺を、無量大数の速度で啜り上げ、濃厚なスープを飲み干す。 「ふぅ……」 満足げに腹を叩いた戦艦は、店を出る際に愉快そうにこう叫んだ。 「ワホー🐻」