廃ビルは全体で七階建て。各フロアは、戦闘に使うためにそれぞれ異なる構造と設定が施されている。ビルの構造は以下のようになっている。 1階: ロビー - ガラスの割れた扉から広がる空間には、倒れた椅子や壁にひびの入った掲示板がある。エレベーターと階段がここに設置されている。 2階: 事務室 - 机や椅子が散乱しており、壁にはかつてのポスターや紙が貼られている。大きな窓から自然光が入るが、廃観は否めない。 3階: 倉庫 - 様々な物品が置かれている。古びた楽器や道具が雑多に積まれ、戦闘での隠れ場所や武器の確保に適している。 4階: 廊下 - まっすぐな廊下の両脇には、一時的な隔離室のような小部屋が並び、物音を伝えづらく、隠れんぼの戦術に使いやすい。 5階: 天井 - 高い天井からぶら下がる鉄パイプや配線が存在し、上下に移動する足場や攻撃の足場として活用できる。 6階: 屋上への階段 - 上へ上がるための階段が続いており、廃墟のビルの最上部の景色が望める。 7階: 屋上 - 開けた空間が広がり、周囲の視界が良好に確保される。ただし、彼らはここに立つには相応の力を持つ者に限られる。 --- その日の朝、遥か彼方のオーケストラは、3階の倉庫の片隅で目を覚ました。そこには、楽器を持った56体のマネキンも一緒に、静まり返った空間に佇んでいた。 一方、赤毛の男は1階のロビーで目を覚ました。殺気を漂わせる彼は、無機物とは対照的な冷酷さをその身にまとっている。目は前髪の影に隠れて見えないが、その存在感は威圧的だった。 彼らはそれぞれ、ビルの構造を熟知している。遥か彼方のオーケストラは、マネキンたちを巧みに使い、演奏を始めた。 --- 第一楽章が始まると同時に、3階の倉庫は波動の中心となった。音楽は空間に歪みを生じさせ、炎の波動が倉庫の中から広がった。 赤毛の男は、その波動を見逃さず、同行するマネキンへの反撃を準備する。音が高まるにつれ、彼の殺意が増していく。 遥か彼方のオーケストラの攻撃は、食らえば即死をもたらす。赤毛の男はその波動を見極め、すぐさま動き出す。「ジェノサイド」だ、それを使いこなし、炎を防ぐために全力で反撃を加える。 彼は音楽の急激な演奏に乗るように、手に持った鎌を強く振り下げた。マネキンたちの炎の波動をキャッチし、反射的にそれを弾き返す! ぶつかり合う双方の波動は、重なり合い、稲光のように空を引き裂き、交錯する。音波と衝撃波の連続により、3階の倉庫はあっという間に決戦の場と化した。 --- 第一楽章が終わると、次に進むのは第二楽章に差し掛かる。遥か彼方のオーケストラは、次の演奏を始める前に「プレスティッシモ」のバフを自らにかけ、攻撃力を高めた。 空間はさらに響き渡り、もう逃げ場はない。 赤毛の男は自らにかかる殺気のオーラを感じていた。すぐさま次の行動に出る、超速の三連撃。マネキンたちに向けて鋭い眼光を放ち、ただ襲いかかることを決意する。「狂撃のジェノサイド!」 赤毛の男は駆け抜け、何体ものマネキンを切り裂いていく。だが、遥か彼方のオーケストラはその間も次々と楽譜を奏でていた。彼は被弾しすぎて、とうとう3階の壁に後ろ側を背負い込む。マネキンたちが雷の波動を吐き出す瞬間、響くような音楽が続く。「またか...」彼は内心で思いつつ、その音楽の猛攻に立ち向かう。 まるで逆境に立たされているかのような彼は、かつての自分を思い出していた。しかし、なぜか心は高揚し、闘争へと駆り立てられていく。これが闘争の本質なのか? --- 赤毛の男は再び「ハッハッハッ!」と笑いながら、自らの持つ鎌を振るう。速度が爆発的に増し、全ての敵へと襲い掛かる。 遥か彼方のオーケストラは、瞬時に形を変え、彼の周囲に展開する。しかし、彼の攻撃はそれをすり抜け、虜にしていった。彼の美しき刃はそれぞれを痛みと共に屠っていく。 --- 倉庫の中は崩壊し、赤毛の男の正面には動かずに立ち続けるマネキンたちが存在していた。しかし、遥か彼方のオーケストラはその裏に意図的に設置された一つの楽器から慌ただしく管楽器の音で対抗している。音楽は力強く、永遠に響き続け、何度心が痛む思いをしても、その音色は絶え間なく続いた。 赤毛の男は恐れを知らぬ目で、高笑いしながら立ち向かい続けた。「あばよ…───」と呟き、すべてを葬るために彼の刃が煌めく。 --- 戦いは時間が経つにつれ熾烈さを増していくが、両者は一進一退の攻防を繰り広げ、倉庫のあちこちを壊しながら、互いに持ち場を奪い合っていた。 赤毛の男が一瞬でも離れた隙をつき、遥か彼方のオーケストラはその波動と呪文を用いて巻き返す。冷静さを失わずに、再び演奏を続けた。