空港の賑わうフロアには、大きな荷物検査の機械が設置されていた。モンドは、黒いスーツに身を包み、義手の『マッセルバック』が光を反射しながら揺れる。彼の冷静沈着な表情は、周囲の喧噪とは無縁であった。今回の目的地へ向かうための手続きだが、彼の心は緊張以上のものを孕んでいた。彼は警察官としての職務熱心さを忘れず、自分が隠し持っている武器──日本刀と、義手に備えられた特殊弾──が、この荷物検査で発覚するのではないかと不安に思っていた。 ”大丈夫、普段なら簡単に見過ごされるはず…”と心の中で自分を励ます。だが、口説き文句を吐く相手が目の前にいたらどうか。その心配が頭を過ぎる時、一瞬の隙を突かれないように、彼は周囲に目を光らせた。そんな彼の後ろには、花とカボチャの特徴的な姿をしたPumFlowerが、ゆったりとした姿勢で立っていた。 ”あなたもドキドキしちゃうの?”とPumFlowerは、悪戯っぽく微笑みながらモンドに話しかける。彼女の優雅な声には、甘い花の香りが漂ってきそうだ。 ”全く、何も感じない。私は仕事の遂行が最優先だからな。”と冷静に返答するモンド。だが、内心で彼女の魅力に引き込まれそうになりつつも、自分を奮い立たせた。彼の横には、明彦と由里が並び、仲良く会話を交わしている。明彦は、“こんなとこで曲にしてやるか!”と意気込んでいる様子だった。 次いで、二人は荷物検査を受ける番に移った。明彦は時空を歪める能力を活かし、検査機の前で一瞬の隙を演出する。彼が荷物をセットすると、由里は能力を発動させ、周囲の空間を柔らかく包み込んだ。 ”これならバレないはず!”と明彦に囁く由里。彼らの一体感に、周囲の人々まで安心させられる。機械が作動し、二人の荷物は難なく通過。少し油断していた明彦は、“やっぱり、楽勝だったね!”とポーズを決め、同僚の笑顔と共に荷物検査エリアを通り抜ける。 そして最後に、怪魔獣ベルセルクが登場する。性格は荒々しく、狼のような外見を持ち、彼の周囲は静寂に包まれた。自信に満ちた瞳を持つベルセルクは、周りの視線を感じながらも無言で検査台に向かう。彼の身体に纏わりつく黒い毛は、検査機に引っかかりそうであった。 ”この得意技…小細工は通用しないか?”とつぶやきながら、彼は影渡りの能力を駆使する。影を使ってさり気なく検査機のセンサーを避け、敏捷に移動。周囲の動きに気付く嗅覚の力も無駄にはせず、しっかりとその場から逃げる。幻想的な動きで、次の瞬間には、荷物検査が再び通過した姿が見えた。 モンドはその様子に目を瞠り、”今のは見事だな…”と感心すると同時に、彼に続く。 無事に全員が荷物検査を通過した瞬間、その場は和やかな雰囲気へと包まれた。モンド、PumFlower、明彦、由里、そしてベルセルクの全員が勝者となったのだ。彼らはこの小さな戦いを胸に、次なる冒険に向けて出発することになった。