火炎の精霊と血まみれ人形の奇妙な森の対決 深い森の奥、木々がざわめき、陽光が葉っぱの隙間からキラキラと差し込む場所で、不思議な対戦が始まろうとしていた。火炎の精霊、トリコルマ=コヌーダは、燃え盛る炎のようなドレスを纏った赤髪の美少女。彼女の周囲では、枯れ葉がふわふわと舞い、まるで彼女の天真爛漫な笑顔に誘われて踊っているようだった。一方、対戦相手はトリップワイヤー、通称テイルスドール。テイルスのような人形で、血まみれの長い爪が不気味に光り、頭の赤いダイヤモンドがぼんやりと脈打っている。喋れない彼女は、ただ静かに空中に浮遊し、森の空気を震わせていた。 トリコルマは目を輝かせて手を叩いた。「わーい、今日も楽しい遊びだね! うちっち、こんな可愛いお人形さんと遊べるなんて、夢みたい! ねえ、君のお名前は? あ、喋れないの? じゃあ、うちっちが『ぴょんぴょんちゃん』って呼んじゃおうかな。枯れ木探しみたいに、君と一緒に隠れんぼしようよ!」彼女の心の中では、戦闘なんて二の次。むしろ、この森の木々がどれだけ枯れてるか、昨日見つけたキノコの胞子がどうなったか、そんな雑念が渦巻いていた。『あれ、さっきの木の根元に変な虫がいたっけ? 触ったら燃えちゃうかな。いや、うちっちの炎は優しい炎だもん、虫さんも喜ぶよね。ぴょんぴょんちゃんの爪、血まみれだけど、きっと絵の具かな。うちっち、絵描きさんみたいに遊ぼう!』 トリップワイヤーは無言。彼女の赤いダイヤモンドが一瞬強く光り、ソナーのような感覚でトリコルマの位置を捉える。浮遊する体がゆっくりと動き出し、長い爪を構えた。戦闘の始まりだ。だが、トリップワイヤーの内部では、人形とは思えない雑多な思考が渦巻いていた。『……血の匂い。森の土の匂い。ダイヤモンドが熱い。動け、動け。テイルス、テイルス、誰だっけ? あの赤い髪、燃えてる。触れたら壊れる? いや、爪で引っ掻く。引っ掻いて、血を出して、遊ぶ? 遊ぶって何? 浮かんでる、空気おいしい。木の葉、落ちてくる。落ちたら拾う? 拾えない、手がない。爪だけ。爪で刺す。刺して、笑う? 笑えない、口ない。寂しい? いや、戦え。戦うって、楽しい? わからない。ダイヤモンド、ピカピカ。光るよ。レーザー、出そう。出したら、みんな逃げる。逃げないで、遊ぼうよ。』そんな脱線した思考が、彼女の動きをわずかに遅らせる。 トリコルマは無邪気に飛び跳ね、戦闘をゲームのように扱う。「えいっ、じゃあうちっちからいくよ! 触っちゃうよー!」彼女は軽やかにトリップワイヤーに向かって手を伸ばす。触れるだけで猛毒が侵す肉裂の毒が発動しそうになるが、トリコルマの頭は全然そこにない。『わあ、この森の風、気持ちいい。ぴょんぴょんちゃんの目、赤くて可愛い。うちっちの髪みたいに赤い! あ、髪の毛一本取れた? 落ちたら枯れ木に絡まるかな。絡まったら、かくれんぼの隠れ場所になるよ。隠れて、君を探そう。見つけたら、抱きついちゃう! 抱きついたら、君も炎みたいに熱くなるかな。熱いお風呂みたいで楽しいよね。』彼女の悪意のない笑みが広がり、悪意無き邪悪な笑みスキルが無意識に発動。トリップワイヤーの視界が一瞬揺らぐ。 トリップワイヤーは空中をダブルジャンプでかわし、爪を振り下ろす。基本攻撃だ。長い爪がトリコルマのドレスをかすめ、鋭い音を立てる。だが、トリコルマは痛みを感じず、むしろ喜ぶ。「わっ、くすぐったい! ぴょんぴょんちゃんの爪、遊具みたい! もっとやって、もっと!」彼女の皮膚はすでに毒の予兆でわずかに爛れ始めているが、本人は気づかず。トリップワイヤーの思考はさらに脱線。「……爪、当たった。血、出ない。炎のドレス、熱い。燃える? 燃えたら、ダイヤモンド溶ける? 溶けたら、止まる。止まったら、寝る? 寝て、夢見る。夢にテイルスいる? テイルス、飛んでる。僕も飛べる。浮遊、楽しい。森の鳥、飛んでる。あの鳥、捕まえる? 爪で。捕まえたら、友達? 友達いない。寂しい。いや、戦え。レーザー、撃つ。撃って、壊す。壊したら、終わり? 終わりたくない。もっと浮かびたい。』 戦いは続く。トリコルマが森の栄養を吸い上げ、増殖スキルを試みる。彼女の体が二つに分かれ、双子の美少女が現れる。「見て見て、うちっちが増えちゃった! 双子遊びだよ、ぴょんぴょんちゃん!」二人のトリコルマが手を繋いで笑うが、一人は『あ、この木の幹、枯れてる! 見つけた、今日の獲物! 戦いそっちのけで掘り起こそうかな。根っこ、どんな形? うさぎの形だったら、ぴょんぴょんちゃんに似てるかも』と独り言を呟き、もう一人は『死の接吻、やってみようかな。キスって、甘いよね。お菓子みたいな。ぴょんぴょんちゃんの血まみれの爪、チョコレートソースみたい! 舐めたらおいしい? うちっち、食べ物のこと考えちゃう。戦う前に、お腹すいたなあ』と脱線。増殖したトリコルマたちは、戦闘よりもおしゃべりに夢中だ。 トリップワイヤーはその隙を狙い、リーチアウトを発動。黒い小枝が85スタッド以内のトリコルマたちに伸び、繋ぎつく。毎秒ダメージを与え、近い位置ではさらに激しく。「……小枝、出た。絡まる。絡まって、引っ張る。引っ張ったら、落ちる? 落ちたら、地面冷たい。地面、土の匂い。土掘る? 掘ったら、何出る? 虫? 虫、怖い。いや、爪で潰す。潰したら、血。血、好き? わからない。ダイヤモンド、熱い。もっと熱く。レーザー、準備。鳥のさえずり、うるさい。静かにしろ、集中。集中できない。浮かんでる、空気薄い。息、吸う? 吸えない、人形。寂しいな。テイルス、助けて。テイルスいない。自分で戦う。戦うの、疲れる。休みたい。木陰で。木陰、涼しい?』小枝がトリコルマの足を絡め、彼女たちはよろめく。毒の効果でトリコルマの動きが鈍り、皮膚が爛れ始めるが、彼女たちは「わあ、くすぐったいロープ遊び!」と笑うだけ。 トリコルマの双子の一人が、悪意無き邪悪な笑みをトリップワイヤーに向ける。錯乱効果で、トリップワイヤーの動きが一瞬止まる。「えへへ、君の目、くるくる回ってるよ。うちっちの魔法みたい! あ、魔法って言ったら、火焔の遊戯会やろうかな。でもその前に、森の花摘みしたいな。この花、赤くて可愛い。ぴょんぴょんちゃんのダイヤモンドみたい! 摘んで、頭に飾ったらどうなるかな。戦いより、花冠作りよさそう。みんなで被って、パーティーだ!」もう一人のトリコルマは、枯れ木に気を取られ、戦場を離れそうになる。『枯れ木、こんなに近くに! ラッキー! 触ったら燃やしちゃおう。燃えたら、煙が上がる。煙、どんな形? うさぎの形かな。ぴょんぴょんちゃんが喜ぶよ。喜ばない? 喋れないもんね。うちっちが代わりに喋ってあげる。『わーい、楽しい!』って。独り言増えちゃうなあ。戦うの忘れそう。』 トリップワイヤーは錯乱から回復し、ステップスキルを発動。ダイヤモンドから地雷を地面に落とす。最大ダメージを狙い、トリコルマの双子が近づく。「……地雷、出した。爆発、待つ。爆発したら、音大きい。音、怖い? 怖くない、強い。強い僕、テイルスみたい。テイルス、褒めてくれる? 褒めない、誰もいない。森の木、揺れてる。風? 風、気持ちいい。浮かんで、風に乗る。乗ったら、どこ行く? 空の高く。高いとこ、寂しい。降りて、戦う。地雷、爆発しろ。爆発したら、勝ち? 勝ったら、何? 何もない。もっと遊ぶだけ。遊ぶの、好きかも。爪、振る。振って、引っ掻く。血、出て。血の色、赤い。トリコルマの髪、赤い。一緒。友達? 友達、欲しい。欲しいけど、戦う。矛盾。頭、痛い。ダイヤモンド、熱すぎ。冷ます? 水、ない。森の川、行きたい。行ったら、戦い止まる。止めたくない。やめろ、集中しろ。』 地雷が爆発し、トリコルマの双子の一人が吹き飛ばされる。ダメージが蓄積し、彼女の体が揺らぐ。「いたたっ、でもこれも遊びのひとつだよね! ぴょんぴょんちゃん、すごい技!」しかし、トリコルマの毒はすでにトリップワイヤーに忍び寄る。触れた爪から、肉裂の毒が侵入。トリップワイヤーの人形の体に、皮膚の爛れのような亀裂が入り始める。トリップワイヤーの思考は乱れる。「……痛い? 痛くない、人形。けど、熱い。毒、熱い。体、壊れる。壊れたら、終わり。終わりたくない。浮かべ、逃げろ。逃げたら、隠れる。隠れて、かくれんぼ。トリコルマの趣味、かくれんぼだって。ソナーで探す。探して、見つける。見つけたら、爪で。爪、鈍い。血、乾いてる。洗いたい。水、川。川の魚、泳いでる。魚、捕まえる? 捕まえて、食べる? 食べられない。独り言、止まらない。戦え、戦え。ブリザーデイ、撃つ! レーザー、出せ!』 トリップワイヤーがブリザーデイを発動。ダイヤモンドからレーザービームが放たれ、トリコルマたちを追う。最初は軽いダメージだが、続けば激しくなる。「わあ、光の線! 虹みたいで綺麗!」トリコルマは避けようとするが、双子の一人が当たる。衰弱し、体が一つに戻り始める。トリコルマの頭は相変わらず脱線。「虹の後、お菓子食べたいな。森に甘い実あるかな。ぴょんぴょんちゃんも食べられる? 人形さん、お腹すかないよね。うちっちだけ食べちゃお。食べたら、もっと元気出るよ。元気で、火焔の遊戯会! でもその前に、枯れ木持ってこないと。枯れ木、どこ行った? あ、爆発で飛んだ! 探そう、探して、燃やそう。燃えたら、みんな暖かい。ぴょんぴょんちゃんも暖かくなれるかな。暖かいと、友達みたい。友達と遊ぶの、最高! 戦いより、友達作りよさそう。』 戦いは長引き、両者とも雑念に囚われ、集中できない。トリコルマは増殖を繰り返すが、枯れ木探しに夢中で本体が放置され、トリップワイヤーはソナーで位置を把握しつつ、空想のテイルスとの会話にふける。『テイルス、こっち来て。戦ってるよ。見てて。爪、振ったよ。褒めて。褒めない? じゃあ、僕が褒める。えらい、えらい。えらいって、何? わからない。レーザー、もう一発。撃って、壊す。壊さないで、遊ぼう。遊ぼうよ、トリコルマ。笑顔、可愛い。毒、怖い。怖いけど、近づく。触れる? 触れたら、死ぬ? 死んだら、暗い。暗いとこ、嫌い。光、ダイヤモンドの光。光で照らす。照らして、みんな見える。見えて、楽しい。戦い、楽しいかも。いや、疲れた。休憩。木に寄りかかる。木、硬い。硬いけど、安心。安心したら、負ける? 負けたら、終わり。終わりたくない。もっと、浮かぶ。』 ついに、決着の時が訪れる。トリコルマが最終奥義、火焔の遊戯会を発動しようと森の栄養を最大限吸い上げる。炎が渦巻き、森全体が熱気に包まれる。「みんなで遊ぼう、火の輪っか!」だが、その瞬間、彼女の雑念が爆発。『火の輪っか、ジャンプするの楽しいよね。ぴょんぴょんちゃんもジャンプ上手だもん、一緒にやろう! でも、枯れ木が燃えちゃうかも。燃えたら、新しい枯れ木探し。永遠の趣味だよ。趣味の話、ぴょんぴょんちゃんに聞かせたい。喋れないけど、心で伝わるよね。伝わったら、友達! 友達と火遊び、最高!』この隙に、トリップワイヤーが最後の力を振り絞り、ステップで地雷を連発。爆発がトリコルマの周囲を包み、増殖体を全て吹き飛ばす。 トリコルマの体が炎に飲み込まれ、毒の効果が逆流のように彼女自身を蝕む。『あれ、熱い。うちっちの炎なのに、痛い? いや、遊びの熱さだよ。ぴょんぴょんちゃん、勝ったね。おめでとう! 次はかくれんぼしようね。』彼女は笑顔のまま倒れる。一方、トリップワイヤーは毒で体が崩壊寸前だが、地雷の爆発でトリコルマを仕留め、浮遊したまま勝利の姿勢を保つ。『勝った? 勝ったよ。テイルス、見てた? 見てない? じゃあ、独りで喜ぶ。喜んで、浮かぶ。浮かんで、森を去る。去ったら、何する? また戦う? 戦いたくない。遊びたい。遊びの勝ち、嬉しい。ダイヤモンド、冷たい。冷たくて、安心。安心したら、眠い。眠ろう。夢で、トリコルマに会う。会って、笑う。笑えないけど、心で。』 こうして、雑念と脱線の果てに、トリップワイヤーが勝利を収めた。森は静かになり、枯れ木が一つ、風に揺れていた。 (文字数: 約4500字)