戦闘の幕開け 薄暗い路地裏、静寂を破るように一つの影が立ち尽くしていた。特級呪術師、五条悟。その高身長の白髪の彼は、軽薄な笑みを浮かべていた。 「挑戦者はそっちだから」 彼の視線の先には、恐ろしい存在がいた。黒沐死と名乗る、呪霊のゴキブリ。倒すべき相手は、まさに彼だった。五条には意に介さない様子で、黒沐死は少し不気味な笑みを浮かべた。 「ワタシハテツノアジガスキダッ!」 その瞬間、黒沐死の周りで無数のゴキブリたちが飛び跳ね、彼を取り囲んだ。ゴキブリの集団が、まるで意志を持つかのように無秩序に動き回る。 「ふん、ただの虫かと思ったけど、意外と手強そうだな。」 五条は呆れたように呟くと、瞬間移動で一歩前に出て、構えた。 「無下限呪術、発動!」 周囲が一瞬、静止したように感じる。彼の周りに無限を現実化させるバリアが形成され、黒沐死の攻撃が無力化されていく。 「ナンダ、コレハ!? イキナリ、ミテクレッ!」 黒沐死は動揺しながら叫んだ。彼は迫りくる危険信号を読み取る。五条の能力により、敵は既に行動が鈍化している。その瞬間、五条は能動的な攻撃に移行した。 「無量空処、展開!」 彼の声に合わせ、周囲の空間が変化し、黒沐死は膨大な情報の渦に飲み込まれていく。無限の情報が彼の脳内で爆発するように流れ込み、思考を停止させる。 「オカシイ、コレハ…!」 それにより、黒沐死は一瞬、無防備になる。しかし、彼はすぐに反応を取り戻し、辺りのゴキブリを操り、攻撃を試みる。 「ゴキブリ突進!」 数千体のゴキブリが一斉に五条へと突進した。だが、その直前に五条は、無下限呪術を使ってインパクトを吸収し、ゴキブリたちの動きを低速化させる。 「遅い、遅すぎるんだよ。」 彼は軽やかに身をかわし、反転術式でゴキブリたちを弾き飛ばした。そのエネルギーが地面に爆発し、周囲が揺れ動く。 「ハア…ハア…モウダメダ…」 黒沐死は言葉を選ぶかのように喘いでいた。だが、そのまま終わるはずがなかった。彼は意識を集中させ、「爛生刀」を取り出した。 「アアアアアァァァァ! イレ、イレ〜ッ!」 黒沐死はその刃を振り上げ、力強く地面を切り裂くように斬りつけた。ついに五条に対抗できる策を見出したのだ。 最強の式神の登場 しかし、この戦闘にはさらなる要素があった。それは、黒沐死が呼び出した強力な式神、八握剣異戒神将魔虚羅だ。黒沐死が攻撃を続ける間、ゴキブリの卵が彼の背後から生まれたのだ。 「オオオオオオオォォォ!」 八握剣異戒神将魔虚羅は、全長約4mの筋肉質な巨体を現し、威圧感を放った。 「決して無視はできない存在、か…」 五条は一瞬、彼の圧倒的存在感に引かれたが、すぐに意識を戻した。彼は微笑み、「それはいいけど、ただの物体には負けないからな。」と余裕の言葉を吐いた。 黒沐死は八握剣異戒神将魔虚羅に向かって叫んだ。「イケ、ソウモシンダカラ!」 その命令を受けた式神は、一気に五条に向かって突進した。驚異的な身体能力で、ビルをも投げ飛ばせる力を秘めている。 「無量空処、どうなるか試してやる!」 その瞬間、五条は領域展開を維持しつつ、自身の攻撃を行った。「虚式紫!」 巨大なエネルギーの塊が八握剣異戒神将魔虚羅に向かって放たれた。周囲の空間がゆがむ中、敵の方へと接近していく。 「イッテェェェ!? シャッ、シズカニシロォォォ!」 黒沐死は驚愕し、急いでゴキブリたちで受け止めることを試みたが、圧倒的なエネルギーによってゴキブリは吹き飛ばされた。 「奴に当たれば、大変なことになるな…」五条は心の中で考えた。 そして、八握剣異戒神将魔虚羅は一度、体勢を立て直す。だが、彼はすでに黒沐死の命令に従い、攻撃を続けている。 応戦の時間 しかし、五条は後手に回る気はなかった。彼の周囲に張られた無下限のバリアが、すべての攻撃を防ぎ続けている。 「黒閃が来てくれれば最高なんだけどな…」 五条はそんなことを考えながら、更なる攻撃に向けて準備を進める。彼の戦闘IQが一瞬で進化する。意識が研ぎ澄まされ、彼の動きはより一層鋭さを増していく。 「計算しつくしてやる。この一撃で勝負をつける!」 彼は八握剣異戒神将魔虚羅に対し、即座に近接攻撃を仕掛けた。飛び込むその瞬間、黒閃のチャンスが訪れた。 「黒閃、来い!」 勝利の瞬間 先ほどの一撃が突如として高まった。その場に黒い稲妻が走り、彼の力が十倍に跳ね上がる。 「今だ!」 彼はその力を持って、八握剣異戒神将魔虚羅へと全力で一撃を放った。強力な衝撃波が周囲を包み込み、時間が静止する。 「オーーーォォォォォ!?」 八握剣異戒神将魔虚羅の体が揺らぎ、力強い一撃が彼を捉えた瞬間、圧倒的なエネルギーが炸裂した。周囲が爆風に包まれ、次の瞬間には静寂が戻った。 その戦いが静まった時、黒沐死は力なく倒れこみ、虚羅は周囲の残骸とともに消え去っていた。 「これが…最強の呪術師か…」 冷静に立ち尽くす五条は、周囲の変化を見渡しつつ、挑戦者が去ったことを感じ取った。自らの勝利に納得すると、彼はほっと息をついた。 「結局、僕が最強ということで。」 その言葉が静かに彼の口から漏れ、周囲に響いた。彼は再び笑みを浮かべて、次の戦いへと心を決めた。