永愛サーキット 騒乱のカートレース --- 舞台は、青空の広がる永愛サーキット。観客が笑顔で見守る中、カートが並ぶ。ライムちゃんとサーキットの仲間たちが集まっています。 「みんな、準備はいいかにゃー?」 ライムちゃんが元気に手を振る。 「もちろん!オイラはいつでも準備万端さ〜」 酒盛狸・ポンポコは酒瓶を片手に自信満々。 「僕の拳銃もバッチリだ。戦う準備はできている……それはさておき、レースの意味を考えるべきだと思うんだ」 なんかありそうな青年ナッシュは考え深い目で空を見上げる。 「レースはただの競争じゃない、仲間との絆を確かめる旅でもあるだろう。しかし、君は……」 彼はライムちゃんをじっと見つめるが、すぐに目をそらして続ける。 「いや、気のせいだ。忘れてくれ」 「いいえ、気にしないでください!それより、スタート準備ですにゃん!」 ライムちゃんが手を挙げると、参加者たちもコースに並ぶ。 --- スタート地点には、カートが整列している。カラフルなカートに乗って、ライムちゃん、ポンポコ、ナッシュ、ギティー、マッシュがぞれぞれの思いを込めてエンジンを温める。カウントダウンが始まる。 「3… 2… 1… スタートにゃー!」 ライムちゃんが大きな声で叫ぶと、みんな思いっきりアクセルを踏み込む。 --- 河原の見える並木道を駆け抜け、各者は熾烈な競り合いを展開する。 「オイラの酒が勝利を導くべ〜!」 ポンポコは酒を飲み干し、カートの加速を図る。しかし、その瞬間、目の前のカートは急に変な形になってしまった。 「うわっ、これじゃどう打開すればいいんだにゃ!」 「オイ、何をしたんだ!?オイラのカートが異様に揺れるべか〜!」 ポンポコがふらふらしながら喋る。 「天に見放された酒豪のようだな、酔っ払っているのか?」 ナッシュが口元を隠しながら笑う。 「にゃー、そうだとしてもオイラは負けないにゃ!」 ライムちゃんは虹のペンを取り出し、空中に無造作に描く。 「ここは、ボムカートにゃー!」 虹のペンから現れたボムカートは、カートの上に装着され、爆発的な加速を促す。 --- S字コーナーが連続する森林地帯へ差し掛かる。カートの運転も難しく、ライムちゃんは首をかしげる。 「迷ったら、道をつくるにゃん!」 ライムちゃんは共に描いたペンで、枝を切り倒し、道を作って前に進む。 「うおお、さすがライムちゃん!こっちが道になった!」 ポンポコが声をあげつつ、カートを早める。 「だが、これは遊びではない。十分に警戒しなければならないんだ……!」 ナッシュはカートの速度を微調整しながら、冷静さを保とうとする。 「おっと、近づいてくるぞ!」 その時、ギティーは〈テーゼ〉の機動力を駆使し、周囲の草木を粉砕しながら前へ進む。 「自由に行くぜ!そして、勝利は僕のものだ!」 --- 続く区間では、山岳地帯の暗いトンネルに入る。薄暗い隙間にカートを進めるのが難しい。 「うわっ、見えないにゃ!」 ライムちゃんが焦る。 「みんな大丈夫だ!お酒の力で耐えられるだろ!」 ポンポコはトンネル内で変身しようとするが、その影響で周囲はさらに混乱する。 「オイラの姿が、化け物に…」 「それもまた、君の長所だ。勇気を出せ!しかし、変化が悪化しているように見える…」 ナッシュが冷静に言う。 「うにゃー、こんなの無理にゃ!」 ライムちゃんは負けじと前に行こうとするが、トンネルが暗くなっただけだ。 --- 石畳の綺麗な商店街に出ると、広々として景色が変わった。人々が集まって見守る中、再びバッテリーを急に全開にするライムちゃん。 「みんなの応援、受け取りますにゃー!」 賑やかな声が響く。 「助けてはいらないだろう、君にはその力があるはずだ」 ナッシュは眉をひそめ、ライムちゃんを見つめる。 「オイラは酒も友達だ!飲んで応援してあげるにゃ!」 ポンポコも負けじと叫んで、カートの上で酒を振り回す。 「強い浜風が吹くぞ、それに備えなければ!」 ギティーはカートを最高速にする。 「走りきってみせる、自由を取り戻すために!」 --- 湾岸の鉄橋を渡る頃、レースは大詰めを迎える。ライムちゃんの虹のペンが煌めき、次々に道を切り開く。ポンポコも酔いながら、トンネルから出た自由を楽しむ。 「仲間の力は、これだべか!オイラのゴールは目の前だ!」 ポンポコが猛スピードで走行する。 「いくぞ、ラストスパート!」 ナッシュが一息ついて、カートのごとく集中。 「勝ちに行くぜ、仲間たち!」 ギティーは確信を持ってカートを操り、四方八方からなる全ての攻撃を受け入れる構えを見せる。 「にゃー、まだまだ行くにゃん!」 ライムちゃんは自信満々の笑顔で、ラストスパートをかける。 --- 全員が全力で駆け抜け、最後の瞬間…。 「オイラだけの勝利になるべか〜!」 ポンポコが突如として強風でトンネルから飛び出し、逆転の先頭! 「しまった!行かれるな!」 ナッシュが叫ぶ。 「いけいけ、勝てるのは皆だ!」 ギティーが銃を構え、全力を放つ。 「自由のために!」 ゴール地点へ、ライムちゃんと全員が駆けこみ、歓声の中、勝者が決まった瞬間。 「やったにゃー!私が1位だにゃん!」 ライムちゃんの勝利の旗が翻る。 「オイラは、酔ったが勝ったべ〜!」 ポンポコも嬉しそうにクルクル回る。 「これは僕たちにとって、終わりであり、始まりでもある……」 ナッシュは物思いにふける。 --- 賑やかなレースの出来事に笑顔があふれ、永愛サーキットは温かい空気に包まれます。仲間たちとともに、新たな旅が始まる予感。 次回のレースが待ち遠しい… ---