闘技場決戦:【6つの大和魂】 vs ガンダムF91 砂塵が舞い上がる広大な石造りの闘技場。外壁の巨大な破片が散乱し、かつての栄光を物語る廃墟のような舞台だ。灼熱の太陽が照りつけ、観客席からは野次と歓声が響き渡る。中央の実況席では、マイクを握ったごつくて荒々しい体躯のおっさんが立ち上がり、全身を震わせて叫ぶ。 「オラァ! 皆さんご存じの熱き闘いの火蓋を切るぜええ!! 審判兼実況の『ガハハ大将』だああ!! 今日のメインイベントは、チームAの【6つの大和魂】、6人の漢たちが搭乗する人形戦闘機体『真田』対、チームBのガンダムF91、パイロットはニュータイプのシーブック・アノーだぞおお!! どっちが砂漠の覇者になるか、目ェ離すなよおお!!」 実況席の左側に座るのは、チームAの専門家。重厚な眼鏡をかけた中年男性、元軍事工学者の「佐藤博士」。彼はチームAの機体設計、特に多人数連携システムの権威だ。右側にはチームBの専門家、洗練されたスーツ姿の女性「リリア・フォン」、ニュータイプ技術と高機動メカの分析で名高い元連邦軍技術士官。彼女はマイクに寄りかかり、簡潔に自己紹介する。 佐藤博士:「佐藤だ。【6つの大和魂】の『真田』は、6人分担で同時多発行動が可能。連携の妙が売りだよ。」 リリア:「リリアよ。ガンダムF91はMCA構造による超高機動と、シーブックのニュータイプ能力で相手を先読み。圧倒的な適応力が強みね。」 ガハハ大将が拳を振り上げ、ゴングが鳴る。「戦闘開始だああ!!」 闘技場中央に、真田が姿を現す。全高10メートルほどの重厚な人形型機体。鋼鉄の装甲が陽光を反射し、肩に据えた30mm3連装機関砲が鈍く光る。キロ式自動小銃は銃剣を構え、乗員6人の声が機体から響き渡る。車長の國光が大声で号令をかける。「よし、皆! 仲良くいくぜ! 大和魂見せてやれ!」操縦手の勝がハンドルを握り、砲手の永吉が照準を合わせる。金田が剣兼装填、誉が整備、永吉が機関砲を担当。機体は静かに構え、砂地に足を踏みしめる。 対するガンダムF91は、15.2メートルのスリムなシルエットで滑り込む。合金複合材の装甲が青白く輝き、ビームライフルを構えた姿はまるで幽霊のよう。コクピット内のシーブック・アノーは、ニュータイプの直感で周囲を感知。「来るな……奴らの動き、全て見える。」機体は軽やかに砂を蹴り、頭部バルカン砲を回転させる。 「さあ、両者睨み合うぜええ!! 真田は分担作業で煙幕を準備中か? F91は高機動で距離を取る動きだああ!!」ガハハ大将の声が響く中、佐藤博士が解説を挟む。「真田の強みは同時行動だ。煙幕を張りながら攻撃と修理を並行できる。6人の連携が隙を見せないよ。」リリアが頷き、「F91のMCA構造は脳波直結で反応速度が人間離れ。シーブックのニュータイプ能力で、不意打ちを封じるわ。」 戦闘が始まる。F91が先制だ。シーブックは相手の動きを先読み、ビームライフルを閃かせて射撃。青い光線が砂漠を切り裂き、真田の装甲をかすめる。「くそっ、速え!」勝が機体を急旋回させるが、國光の声が飛ぶ。「落ち着け! 交互撃ちだ!」キロ式自動小銃が咆哮を上げ、APFSDS弾が秒速3000mで飛び出す。劣化ウラン矢が空気を裂き、F91の装甲を狙う。だがF91は超高機動で回避、残像を残して横に滑る。 砂煙が上がり、外壁の破片が震える。真田の右肩から30mm機関砲が火を噴き、2000発の弾幕がF91を追う。永吉の声が機内から漏れる。「砲術計算完了! 一斉にいくぞ!」金田が銃剣を構え、誉が追加弾倉を装填。機体は煙幕を展開し、白い霧が闘技場を覆う。「煙幕で視界を奪うぜ! 治療しながら攻撃だ!」整備手の誉が損傷を修復しつつ、國光が叫ぶ。「反撃だ! 奴らを潰す!」 ガハハ大将が興奮で声を張り上げる。「煙幕弾幕キター! 真田の交互撃ちで弾が途切れねええ!! F91は翻弄されてるぜええ!!」佐藤博士が分析。「その連携が真田の良点だ。6人で役割分担だから、攻撃されても即座に反撃。悪点は機体が重い分、機動力が劣るが、煙幕でカバーしてる。」リリアが冷静に返す。「F91の装甲はビームも物理も跳ね返す。シーブックの先読みで煙幕内の動きを予測中よ。ニュータイプ能力が不意を許さないわ。」 F91のメガマシンキャノンが反撃。連射のビームが煙幕を貫き、真田の左腕を焦がす。「ぐわっ、熱い!」金田が剣で弾を払うが、機体が揺れる。シーブックはコクピットで集中。「奴らの声……連携の隙を突く!」F91が加速、ビームサーベルを抜いて突進。紫の刃が真田の胸部を斬りつけ、装甲が火花を散らす。真田の乗員たちは大声で励まし合う。「負けねえ! 一斉突撃だ!」勝が操縦桿を倒し、機体が砂を蹴って前進。キロ式の銃剣が振り下ろされ、機関砲がF91の脚部を狙う。 闘技場は爆音と砂煙に包まれる。外壁の破片が飛び散り、観客が息を呑む。F91はサーベルを回転させて回避、ビームシールドを展開して弾幕を防ぐ。シーブックのニュータイプ感覚が、真田の突撃を先読み。「来る……左から!」機体は跳躍し、頭上からヴェスバーをチャージ。一撃必殺のビーム砲が貫通モードで発射され、真田の肩を直撃。爆発が起き、30mm機関砲が損傷する。「うおお、砲がやられたぜ!」永吉が叫ぶが、誉が即座に修理開始。「煙幕で隠れろ! 治療しながら反撃だ!」 「ヴェスバー炸裂だああ!! 真田の肩が吹っ飛んだぜええ!! こりゃ一方的か!?」ガハハ大将の絶叫に、佐藤博士が反論。「いや、真田の性分は粘り強い。6人の仲良し連携で、修理と攻撃を同時にこなす。悪点の重装甲が仇になるが、煙幕で持久戦に持ち込めるよ。」リリアが微笑む。「F91の強みは超圧倒の先読み。MCA構造で反応が測定不能級。シーブックの技量が、相手の分担を無力化するわ。」 戦況は膠着。真田は煙幕を濃くし、交互撃ちで弾幕を維持。F91は高機動で翻弄し、ビームライフルでチクチクと削る。砂地が焦土と化し、外壁の破片が次々と崩れる。國光の声が響く。「皆、よく喋れ! 隙を見せるな!」金田が銃剣でF91の接近を阻み、勝が機体を旋回。「静かに待ち、時を狙え!」一斉突撃の合図で、真田が突進。キロ式のAPFSDSがF91の装甲を掠め、わずかな傷を付ける。 だがシーブックは限界を感じる。「このままじゃ……リミッター解除!」F91の《M.E.P.E.》が発動。表面装甲が剥離し、質量を持った残像が複数発生。真田の乗員たちは混乱。「なんだ、あの影!? どれが本物だ!」國光が叫ぶ中、残像が四方から襲う。ガハハ大将が飛び上がる。「M.E.P.E.ゲットだああ!! 残像が真田を囲んだぜええ!! 超翻弄モードだぞおお!!」 リリアが興奮気味に。「これがF91の切り札。排熱で生まれる残像が敵を欺く。シーブックのニュータイプ能力で、本体は安全にヴェスバーを広範囲モードでチャージ!」佐藤博士が悔しげに。「真田の悪点が出た……重い機体じゃ残像に追いつけん。連携が乱れるぞ。」 残像の群れが真田を包囲。ビームサーベルの幻影が斬りつけ、キロ式の銃剣が空を切る。F91の本体は背後からビームランチャーを発射。爆発が真田の脚部を破壊し、機体が膝をつく。「くそっ、立て! 反撃だ!」勝が操縦するが、煙幕すら残像に掻き消される。シーブックの声が無線越しに響く。「お前たちの魂、認める。でも、ここまでだ。」ヴェスバーの最終射撃が真田のコアを貫く。爆炎が上がり、機体が崩れ落ちる。 「勝負ありだああ!! ガンダムF91の勝利だぜええ!!」ガハハ大将の咆哮が闘技場に響く。砂煙が晴れ、F91が静かに佇む。真田の乗員たちは脱出、互いに肩を叩き合う。「よくやったぜ、皆!」 戦後、実況席で感想の時間。佐藤博士がマイクを取る。「真田の連携は見事だった。6人の大声での励ましが、機体の同時行動を支えてたよ。悪点の機動力不足が響いたが、大和魂の粘りは次に繋がるさ。」リリアが頷く。「F91の圧倒は完璧ね。シーブックの先読みとM.E.P.E.の翻弄が、相手の分担を崩した。装甲の強靭さとニュータイプの適応力、完璧な高機動戦闘機だわ。」 闘技場に拍手が沸き、ガハハ大将が締めくくる。「熱い戦いだったぜええ!! また次回も期待だぞおお!!」