絵のテーマ ある晴れた日、みるにゃん、ニャー、アメシスト、そして両面宿儺は、絵画教室に招待されました。先生が決めたテーマは「私たちの理想の世界」。皆がそれぞれの思いを存分に表現することにワクワクしながら、教室は活気に溢れていました。 描き始め 「私、頑張るよ!」 みるにゃんは、愛するぬいぐるみのむーんを傍らに置き、手に持った色とりどりの絵の具を見つめていた。彼女の目は真剣そのものであり、心の中にある優しい世界を描きたいという情熱が溢れていた。 一方、ニャーはクッションの上で転がりながら、「ニャー?」と楽しそうに鳴いた。絵を描くどころか、遊びたい気持ちが優っているようだった。 「ふむ、何を描くかな…」 アメシストは、絵の具を前に考え込んでいた。彼は心の中で、どのように理想の世界を表現しようかと想像を膨らませていた。 両面宿儺は、無表情で早速ペンを持ち、描き始めた。 「こんな世界、どうでもいい。」彼はそう呟きながら、無造作に恐ろしい景色を描いてゆく。「くだらない。」 途中経過 時間が過ぎる中、みるにゃんは自分の理想の世界、明るく開けた草原に色とりどりの花が咲く風景を描いていた。「むーん、見て!頑張ってるよ!」 ニャーはツッツキを繰り返し、画用紙がちょっとだけ雲を描いた。「ニャー!」と無邪気に叫ぶニャーは、結果的にどこか微笑ましい作品を作り上げていた。 「僕は、希望あふれる世界を」 アメシストは、仲間と共にいる楽しい光景を鮮やかに描いていました。笑顔や友情の表現が彼の筆から生まれ、絵が生き生きとしてきました。 しかし、両面宿儺の絵は異様な風景だった。彼が描いたのは、恐怖に満ちた支配の世界。壁に囲まれた暗い町並みや、不気味な影が描かれていた。周りの人たちからは少し戸惑いの目が向けられた。 思わぬトラブル 「これでは理想の世界にならないのでは?」 アメシストが両面宿儺に言い寄り、優しく指摘しました。「このテーマは、もっと明るいものだと思うよ。」 「ふん。オレには、こんな世界の方が理想だ。」両面宿儺は不敵な笑みを浮かべる。「貴様らが求める世界など、ただの幻想だ。リアルではない。」 みるにゃんは、両面宿儺の言葉に少し怖くなり、むーんをギュッと抱きしめた。「でも、明るい世界だってあるんだよ!」と、優しい声で返す。 ニャーは駆け寄り、両面宿儺の絵の上に白い絵の具をかけた。「ニャ!?おかしいニャ!」 「何をする!」両面宿儺は、驚いて振り向き、「オレの絵に触れるな!」と怒りながら、怒鳴った。 分かれ道が生まれ、教室の中で少し緊張が漂ったとき、先生がやってきて、ほほえみながら言いました。「皆さん、絵の描き方は自由です。ただし、他人を刺激しないように気をつけてね。」 完成 その言葉に、教室の雰囲気が和みました。みるにゃんは描き続け、小さな幸せに満ちた風景を完成させました。柔らかな光があふれる草原、その中で彼女とむーんが笑い合う姿が表現されていました。 「出来た!むーん、一緒に見てもらおう!」 ニャーは、遊びながらも自分の絵に色を添える。「ニャー、これが僕の世界ニャ!」 アメシストは、優しさ満ちた仲間たちとの風景を描き終え、満足げに見つめています。 そして、両面宿儺は、不気味な影を持つ世界を描き続けていましたが、少し心が変わったように思えました。 先生の採点 最後に先生が全ての絵を前にして、優しく微笑みながら採点を始めました。 「みるにゃんさんの絵は、100点です!その優しさがしっかりと伝わってきました。風景の彩りも素敵ですね。」 「ニャーさんの作品、95点。遊び心満載ですが、もう少しストーリー性が欲しいところ。」 「アメシストさん、98点。仲間との絆が感じられる、素晴らしい絵です。」 「両面宿儺さん、70点。やはり少し暗過ぎる部分がありますが、その強烈な表現力は魅力的です。」 「ただし、他人に影響を与える絵としては、もう少し明るいものに挑戦してください。」 みんなで得点を聞き、互いに笑顔になりました。傷つけることなく、理想の世界についての思いを交換し合うことができたのです。これからも、みんなの理想の世界を描き続けていくことでしょう。 教室の外では、明るい陽射しの中、みるにゃんが笑顔でむーんを抱いている姿がありました。 その姿は、まさに彼女の理想の世界そのものでした。