静かな森の中、小さなキャンプが設けられていた。そこでは、ブラックとニャイの二人が、これからの冒険に備えて装備を整えている。だが、日常の準備を終えた後、ふとした思い付きから二人は衣装を交換することにした。 ブラックが自分の黒いフード付きの服を脱ぎ、ニャイに渡す。ニャイは嬉しそうにそれを身に着ける。フードを被ると、彼女の猫耳がぴょこんと顔を出す。 「うふふ、なんだか神秘的な雰囲気が出るね、ブラック!」ニャイは鏡に映った自分を見ながら笑う。 「似合ってるよ、ニャイ。でも、ちょっと動きづらくない?」ブラックは、きゅっとフードを引っ張りながら言った。彼女の普段の服装と違い、ニャイのショートドレスは非常に動きやすそうだ。 「これ、すごく快適だよ!」ニャイは嬉しそうにして、剣を二刀流で構えてみせる。「でも、このフード、戦う時には邪魔かも…」 「戦いが終わったらブラックコーヒーいかが?」ブラックは冗談めかして言った。 「コーヒー?ふふ、ブラックの名にちなんでるね。だけど、ニャイには紅茶の方が合ってるかな?」ニャイは彼女らしい愛嬌で微笑み、フードを脱いでしまった。 その時、ニャイはブラックの持っていたリンゴに目を奪われた。「それ、いいなあ。お腹がすいてる時には最高だよね!」 「もちろん!ちょっとお腹が空いたら、これを食べてエネルギー補給するんだ。」ブラックはリンゴを手に持ちながら、自信満々に言った。 「じゃあ、私も少し味見させて!」ニャイは手を伸ばし、リンゴを受け取る。かじりつくと、その甘さに驚いた様子で目を輝かせた。「美味しい!こんなに美味しいリンゴが、戦士の必須アイテムとは思わなかった!」 「そのうち、自分でも栽培してみたいと思ってるんだ。戦いも大切だけど、食べる楽しみも忘れちゃいけないからね。」ブラックは笑顔で答える。 「ねえ、戦士としてはどう思う? お互いの衣装を試してみた今の感想は?」ニャイが尋ねる。 「うーん、やっぱり自分の服が一番落ち着くかな。けれど、たまにはこうした交換もいいね。視点が変わるし、新しい発見がある。ニャイも引き続き冒険のお供をしてね。」 「もちろん!」ニャイが元気よく応える。 こうして、二人は再び衣装を交換し、元の自分に戻ることにした。そして、それぞれの特性を持ちながらも、新たな絆を感じることができたのだった。次の冒険に向けて、再び心を一つにするために。