--- 第1章《闘いの始まり》 無人のアリーナ。白い大地にエコーするのは、刹那が踏み出す小さなステップ音だ。彼女の愛刀《刹那桜》は、冷たい月光を浴びて細やかな輝きを放つ。一方、アリーナの反対側には魔法少女レイが立つ。黒い霧の中から現れた彼女は、美しくも冷淡な美少女。その瞳が鋭く、戦闘の準備を整えた。 「わたくし、行きますわ。」刹那が一言呟き、瞬時に前方へ飛び出した。彼女の動きはまるで桜の花びらのように軽やかで、瞬間に近寄る。 「ほんとうに突っ込むとは、無謀ね。」レイは冷笑し、手のひらに魔力を集める。"時の魔法"の力が彼女の周囲に渦巻き、時間さえも歪めるかのような緊張感が漂う。 刹那が刹那桜を振るい、刀が繰り返し舞う。「数多くの死の上で、わたくしという桜は刹那に咲くのです。」彼女の言葉とは裏腹に、レイは瞬時に時を止める魔法を発動する。「ゼロ!」その声と共に、周囲の動きが完全に止まった。刹那は、止まった時間の中で温もりを感じながら、それでも進む意志を固めていた。 「この魔法には抗えないわ。」レイがその言葉を口にし、時が再び動き始めた。刹那の攻撃は完全に避けられている。 第2章《時の刃》 瞬時に戻った彼女の動きに、刹那は驚愕する。「どういうことですの!?」 「時の魔法は、あらゆる動きをそのまま戻せるの。あんたの動きもね。」レイの口元には自信に満ちた微笑みが浮かぶ。その瞬間、レイはスピードアップし、刹那に迫る。 「無駄よ!」刹那がその言葉と共に反撃する。しかし、レイはその身を屈め回避し、瞬時に《零》の魔法を放つ。 刹那の視界が白く滲み、全てが“零”に還ろうとする。彼女はそれをしのぎ、刹那桜で切り裂こうとする。「わたくしはまだ死なない!」 「本気を見せてあげる」レイは再び魔法を唱え、魔法の色彩が混ざり合い、圧倒的な力を刹那に向けて放つ。だが、刹那はそれを真っ直ぐに受け止めた。その瞬間、両者の力がぶつかり合い、周囲の空間が震動する。レイはその攻撃に圧倒され、少し後ろに退いた。 第3章《戦の行く先》 レイが息を整え、次の動きを選ぶ中、刹那は一瞬の隙を狙う。「桜が刹那に咲き散る様に、わたくしはこの命を燃やしますわ!」彼女は再度突進し、時を歪めながら近寄る。 「せいぜい頑張ってね。」レイは笑みを浮かべるものの、その目は鋭い。一瞬の隙に刹那が攻撃を成功させる。刹那桜はレイの衣服を裂き、彼女の肌に血の跡を残す。 痛みを抱えたレイは立ち直るが、心中に焦りが浸透する。「やるじゃない。だが、アタシも本気を出す時よ!」彼女の唸り声とともに魔力が解き放たれ、周囲の空気が凝縮される。 「来なさい!」 「わたくしを甘く見ると、痛い目に遭いますわ!」刹那は全速力で進み、再度一撃を放つ。その碧い刃は、月の光を受けて無防備なレイへ向かう。だが、時を操作する力でその動きを奪われ、空を切った。 第4章《攻防の狭間》 刹那も乱れない。整えた姿勢で冷静に次の一手を考えていた。レイは立ち上がり、夕焼けの中、再び魔法を使う。「原初魔法、属性を解放する!」 大地は激しく揺れ、彼女の力が周囲に漲る。電撃が走り、桜の木が散るように刹那に向かう。それが通り抜けた瞬間、刹那は身を捻り、その魔力の波を乗り越えた優雅な動きを見せた。 「わたくしを侮ってますの!?」直後、彼女は再び刹那桜を振り回す。「接触すれば、貴方の運命は定まる!」 レイは巧妙に抑え込むが、心中では冷静さを保ちながら戦況を見極めていた。しかし、激しい攻防の中で次第に疲れが見え始め、攻撃にかかる力も緩む。 第5章《高まる緊張》 刹那は次の攻撃に出る。「この一撃で、能力を打破しますわ!」彼女の言葉と刹那桜の光が同時に煌めく。 「まだやれるとでも?」レイは目を見開くが、力の入った一撃が放たれる。その瞬間、無数の桜の花びらのようにキラキラと光る。 「くらえ!」 彼女の振るう刃は、周囲を巻き込みながらレイに迫る。 「レベルが違うとでも思ってるのね!」その瞬間、レイは再び時間を操り、自らの影を使い刹那を撹乱する。刹那は掻き消されながらも再び現れる。ただ、レイの魔法少女としての力がますます増しているのに対し、刹那は力の差を感じる。 第6章《執念と運命》 気迫のこもった一戦の中、再び意識を研ぎ澄ます刹那。「わたくしの意志は、もう揺るがすことはできませんわ!」その言葉で彼女は自身に言い聞かせ、次の攻撃へ合わせる。レイもそれに応じ、冷静にその態勢を整える。 二人は一瞬の静寂から動き始め、それぞれの真の力がぶつかり合う。再度の接触が生まれ、魔法と刃が交錯した。 「アタシは負けない。」レイは強い意志を抱き、放たれた魔法の反動が荒れ狂う。刹那はその光景を目の当たりにし、時の魔法の威力の恐ろしさを感じる。 「それでも…わたくしが、勝ちますわ!」刹那の決意は変わらない。彼女は己の全てを捧げ、再度の刃を振るう。 第7章《決着》 激しい戦いの最中、刹那の悟りが深まっていく。彼女が生き返る力、《死に咲く桜》が心の奥底から詰まっている。あの無情な時代が教えた、彼女の本当の戦う理由。 「桜が刹那に咲く…そう決めたのは、わたくし自身ですから。」 レイに向かって突進しながら、刹那は全力で一撃を放った。全力の桜の刃が暗闇を切り裂く。その刃を避けられないレイ。ここに来て、二人はほんとうの運命が交錯した。 「アタシも強いのよ!」レイは支えきれない魔力を放つが、既に一歩遅い。刹那の刃がレイの反応を凌駕し、最後の一撃が彼女の衣服を引き裂いた瞬間、時間が止まった。 レイは未だ時間の魔法を持ち、力強い女の強さを繰り出すが、刹那にはそのすべてが無力だった。傷を負ったはずのレイだが、執念の力で彼女の魔法が炸裂し、否応ない運命の定めが告げられる。 「終わりだ、レイ」刹那の声が、崩壊するアリーナに響く。レイは力を失い、その身をもてあまし状態でアリーナの地へ伏し、決戦が終わりを告げた。 「わたくしの勝ちですわ。」 こんな状況でも薄ら笑いを浮かべながら、刹那は少し悲しげな瞳でアリーナを見渡した。 ---