第1章:狂乱の開幕、無制限闘技場へようこそ! 地平線まで続く白亜の闘技場。そこに集いしは、次元を喰らう化物から、ただの魚、そして時を止める吸血鬼まで。カオスを通り越して絶望的なラインナップである。 「ガハハハ!野郎ども、準備はいいかぁ!実況は俺、ごつおが担当するぜ!骨の髄までぶっ壊し合え!」 「……解説の解説マンです。正直、戦力のインフレが酷すぎて計算が合いませんが、まあ、誰が生き残るか観察しましょう」 参加者は以下の通りだ。数兆の次元を喰らった【京針喰鬼】。卑劣な罠の【セコいガンマン】。冷静沈着な研究者【マイルズ】。完璧を求める【ザエルアポロ】。北海道産の【イワシ】。存在自体が矛盾した【独存】。時を支配する【DIO】。そして運命を紡ぐ蜘蛛龍【ディスティニ】。 ゴングが鳴った瞬間、静寂は消え失せた。まず動いたのは、空を舞う【ディスティニ】。無数の天糸が雨のように降り注ぎ、闘技場を切り刻む! 「いきなり激しいぜ!あのアリ地獄みたいな糸は何だぁ!」 「天糸ですね。切断不可の糸で相手を拘束し、捕食する。効率的な狩りです」 しかし、その糸に絡まった【ザエルアポロ】は不敵に笑う。彼は拘束された状態で、近くにいた【セコいガンマン】に手を伸ばした。彼の能力は「受胎」。触れた者に自らを植え付ける禁忌の力だ! 第2章:卑劣なる誘いと計算外の事態 「ヒャハハ!こっちに来いよ、このピンク野郎!」 【セコいガンマン】はザエルアポロの接近を逆手に取り、持ち前のスキル【騙し討ち】を仕掛けた。 「おい、これやるよ。ピストルだ」 ザエルアポロは、完璧な生命を目指す研究者としての好奇心から、その誘いに乗る。対戦相手は絶対にピストルを受け取り、誘いに乗るという因果。ザエルアポロはピストルを握りしめた。 「ほう、面白い。10秒数えて後ろを撃てということですね」 「10…9…8…7!!」 バンッ!! 至近距離から放たれた絶対死の弾丸が、ザエルアポロの頭蓋を撃ち抜く。防御力も能力も無視する絶対的な死。完璧な生命と自称した男は、あっけなく絶命した。 【退場者:ザエルアポロ 決め手:セコいガンマンの【騙し討ち】】 「ギャハハ!騙された奴が悪いんだよ!」 「……あまりにもセコい。ですが、それがこの男の正解なのでしょうね」 その光景を、白衣の男【マイルズ】が冷静にレポートに書き記していた。彼の目は、既に戦場全体を分析し尽くしている。 第3章:時を止める黄金の帝王 「なめるなよ……人間どもがぁ!」 【DIO】が咆哮し、その圧倒的なカリスマ性と暴力性を解放する。彼は瞬時に【セコいガンマン】の背後に回り込み、猛烈なラッシュを叩き込んだ。 「無駄無駄無駄無駄無駄!!」 セコいガンマンは反応すらできず、肉体が弾け飛ぶ。死のピストルを構える暇もなかった。 【退場者:セコいガンマン 決め手:DIOの【無駄無駄無駄】】 「あーっ!セコい奴が先に消えたぜ!すっきりしたなぁ!」 「DIO選手の速度とパワーは圧倒的です。ですが、まだ場には正体不明の怪物が残っています」 その時、空から【ディスティニ】が溶解酸液を放射。DIOの足元が激しく溶け、彼を拘束しようとする。しかしDIOは冷笑を浮かべた。 「時よ止まれ」 世界から色が消え、全ての動きが停止する。停止時間9秒。DIOはその間にディスティニの懐へ潜り込み、激しい打撃を叩き込む。だが、ディスティニはIFの世界と入れ替わり、ダメージを無効化して消えていた。 第4章:次元の捕食者、覚醒する これまで静観していた【京針喰鬼】が、ゆっくりと口を開いた。彼の胃袋は無限。そして、彼が喰らうのは個体ではなく「次元」そのものである。 「……腹が減った」 京針喰鬼が空間に手をかざすと、闘技場の一部が歪み、文字通り「喰われ」始めた。周囲の空間がブラックホールのように吸い込まれていく。これは単なる攻撃ではない。この次元の力さえも取り込み、自身のパワーに変換する絶望的な能力だ。 「おいおい!地面が消えてるぞ!なんだあの化け物は!」 「京針喰鬼。数兆の次元を喰らった怪物です。今の攻撃で、この闘技場の座標ごと相手を消し去ろうとしています」 その渦に巻き込まれたのは、プカプカと浮いていた【イワシ】だった。しかし、イワシは「無条件で死なない」し「全ての攻撃を無力化」する。次元喰いという概念的な攻撃ですら、北海道産のイワシには通用しなかった。 「魚が……食われずに浮いてるぞ!?」 「イワシ選手の能力は理屈を超えています。単純なパワーでは突破不可能です」 第5章:分析の完了と絶望の還元 戦場の中央で、研究者【マイルズ】がペンを走らせる速度を上げた。彼は京針喰鬼の次元捕食、DIOの時止め、イワシの無条件勝利、そして独存の不可侵性を全てレポートに書き記していた。 「ふむ……興味深い。次元喰いの構造、時の停止、そして『既に死んでいる』という矛盾。全て記述完了です」 マイルズが静かに呟く。【レポートが完成しました】。 その瞬間、マイルズの周囲に膨大なエネルギーが渦巻いた。彼がレポートに書き記した全ての能力が1000%の出力で再現され、一点に集中する。彼は【京針喰鬼】に向けて、次元喰いの力を1000%に増幅した衝撃波を放った。 「全てを地へ還元してください」 凄まじい爆発が闘技場を包む。次元を喰らう者さえも、その能力を増幅された還元攻撃に飲み込まれた。京針喰鬼は絶叫し、その肉体が内部から崩壊し、消滅した。 【退場者:京針喰鬼 決め手:マイルズの【レポート還元】】 「うおおお!あの大食い野郎が消された!あのメガネ、恐ろしいぜ!」 「分析し、コピーし、増幅して返す。理論上の最強戦術です」 第6章:不可侵の壁と最強の矛盾 残ったのは、DIO、イワシ、独存、そしてマイルズ。DIOは苛立ち、マイルズに襲いかかる。 「貴様のような小賢しい人間が、このDIOに勝てると思うな!」 しかし、マイルズはレポートに基づき、DIOの動きを完璧に予測。最小限の動きで回避し続ける。そこに【独存】が、おっとりと歩み寄った。 「あ、あの……すみません。ここはどこでしょうか」 DIOは独存を邪魔だと思い、全力のパンチを叩き込む。しかし、拳は独存の体を通り抜けるかのように、何のダメージも与えない。独存は「既に死んでおり、肉体は崩壊しており、魂は無く、精神も消滅している」。ゆえに、攻撃という概念が適用されない。 「な……何!? 何が起きている!?」 「独存選手。彼は『自分は自分である』と思っているため存在していますが、定義上は何も無い。攻撃が当たらないのは当然です」 絶望するDIO。そこに【イワシ】が、無条件で勝利するというルールを強制しようとする。しかし、独存は「能力ではない何か」であるため、イワシの無効化さえも通用しない。最強の矛(イワシ)と最強の盾(独存)が、ただそこに並んでいるというシュールな光景が広がった。 第7章:帝王の最期、ロードローラーの悲劇 「ふざけるなあああ!!」 DIOはついに正気を失い、最後の手を打つ。彼はマイルズとイワシ、そして独存をまとめて橋の上に追い詰め、時を止めた。 「これで終わりだ!ロードローラーだぁぁ!!」 巨大なロードローラーが空から降り注ぎ、三人(と一匹)を完全に押し潰す。さらに激しいラッシュを加え、停止時間が解除されると同時に大爆発が起きた。 「ぶっ潰れよォォ!!」 爆炎が晴れる。マイルズはレポートと共に消滅していた。イワシは無条件で復活するはずだったが、あまりの爆発規模に一時的に次元の彼方へ飛ばされた。しかし、独存だけは、煤一つついていない姿で立っていた。 【退場者:マイルズ 決め手:DIOの【ロードローラー】】 「やったぜ!メガネが消えた!」 「……ですが、独存選手には一切効いていませんね」 DIOは愕然とする。自分の最強技が、中肉中背の冴えない男に全く通用しなかった。その絶望に拍車をかけるように、飛ばされていた【イワシ】が大量に、宇宙を埋め尽くすほどの数で戻ってきた。 第8章:終焉、そして静寂へ 空を覆い尽くす数億匹のイワシ。その圧力だけで、DIOの足場が崩れる。イワシの能力【無条件で相手を殺す】が発動した。 DIOは時を止めようとしたが、イワシの「能力無力化」がそれを阻む。逃げ場はない。数億匹のイワシに飲み込まれ、DIOは絶叫と共に消滅した。 【退場者:DIO 決め手:イワシの【無条件殺害】】 闘技場に残されたのは、北海道産の【イワシ】と、おっとりした【独存】のみ。 イワシは「無条件で勝つ」能力を持つ。対して独存は「何も効かない」存在である。この二人が対峙したとき、理論上の答えは一つだった。独存は「死ぬことができない」が、イワシは「勝たなければならない」。 しかし、独存はあまりにも穏やかだった。「あ、魚さん。美味しそうですね」 独存がふと、イワシを手に取り、口にした。独存にとってこれは「攻撃」ではなく、ただの「日常」である。能力としての攻撃ではないため、イワシの無効化は作動しなかった。北海道産のイワシは、そのまま独存の胃袋へと消えていった。 【退場者:イワシ 決め手:独存の【食事】】 静まり返る闘技場。最後に立っていたのは、ただの、本当にただの男、独存であった。 「あー……終わったみたいですね。お疲れ様でした」 「……勝者、独存。理由:相手が全部消えたから。拍子抜けすぎるぜ!」 「これが『何もない』ことの強さということでしょうか」 * (全参加者が光に包まれ、復活する) ごつお:「よし、全員復活だ!いい戦いだったぜ!」 ごつおは独存の肩を強く叩き、ニカッと笑った。 「優勝おめでとう独存!……でもお前、地味すぎて実況しづらかったわ!次から出禁な!」 独存:「ええーっ!?」