青空のもと、広大な荒野が広がる。風が吹き抜け、草がざわめく中、意外にも空気は緊張に包まれていた。その中心には、己の信じる「平和」のために戦いを選んだ男、チートの神デッドが立っていた。 彼は普通の青年の姿をしている。青いローブを纏い、その下には力強い体つきが潜んでいる。彼の目には決意が宿り、戦いへの期待が垣間見える。デッドに与えられた運命の技、その名も【滅神】。彼の拳には、神話に名を刻むほどの威力が宿っている。それを発揮する瞬間が迫っていることを、彼自身は感じていた。 一方、対峙するのはフォルティ。黒いスーツを着こなし、無数の目が彼の顔面を覆い尽くしている。大柄な体躯は、冷たい表情で相手を見つめる。その目は、まるで計算し尽くしたかのように、デッドの全てを捉えていた。彼の存在は既に恐怖の象徴であり、視線を向けた者はその目を見ただけで戦意を喪失し、早々に勝負が決してしまう。 「お前はもう見飽きた」 冷静な口調が響く。迫ってくるデッドに対し、フォルティは感情を一切見せない。静かに目の前の敵を悉く消え去らせる準備を整えている。その力は、まさに恐ろしいもので、デッドは彼の目を見届けることもできずに戦わざるを得なかった。 デッドは深いため息をつき、目を閉じた。心の中で静かに自らの力を調律し、瞬間的に意識を高めていく。青いローブが風に揺れ、何かを感じ取るように彼の周囲には緊張した雰囲気が漂っていた。彼の頭の中には、強力な技【滅神】の幻想が広がる。自らの力を信じ、果敢に挑む決意が高まる。 その瞬間、フォルティがその巨大な目を召喚する。目は宙に浮き、周囲を覆うように展開していく。無数の視線がデッドに注がれ、彼の能力は確実に削がれていく。「無眼」の力が発揮される瞬間だった。目がデッドを捉える。それを望むかのように、彼に向けて次々と情報が流れてゆく。 デッドは心の中で「それがなにか?」とつぶやいた。己の力に自信を持ち、彼の攻撃にはどんな能力も無効にできると信じていた。彼の青いローブが風に舞い、まるで一陣の嵐のように彼を包み込んでいく。 「滅神!」 デッドがその言葉を大きく吠えると、彼の拳には奇跡のように強大なエネルギーが宿り、周囲の空気が震えた。時間がゆっくりと進む中、彼の動きはまさに一瞬の光と化し、フォルティへ向かって突撃した。 その一撃は、まさに神の怒りを宿したかの如き圧倒的な威力を持っていた。地面を震わせ、風を切り裂く音が周囲に轟く。その拳は無駄な動きが一切なく、まっすぐにフォルティへ向かう。デッドはまるでその瞬間すらも超越した存在だった。 彼の技は迫り来る。フォルティはその場で黙々と受け入れる。だが、周囲の目が彼の力を削ぎ取ろうと集まっていく。デッドはそれに抗うように、ただ一撃に全てを注ぎ込む。「この一撃が決め手になる」と自らを鼓舞する。 「発動ッ!」 デッドの声と共に拳は空気を切り裂き、フォルティの目に向かって一気に到達する。次の瞬間、圧倒的な衝撃が周囲を包み込んだ。拳がフォルティの存在とぶつかり合い、両者の力が激しく交わる。衝撃波があたりを襲い、砂埃が舞い上がり、荒野は一瞬にして異次元の空間に変わる。目の前の光景は夢のようにも現実のようにも見える。 フォルティの目は、デッドの攻撃を受け止める。彼はその場に立ち、不動の姿勢を保つ。間違いなくそれは恐ろしい力。彼の身体を揺るがせることは容易ではなかった。それでも、デッドの「滅神」を受けても倒れない姿は、まるで神そのものの存在を感じさせる。 衝撃が静まる中、フォルティの無表情な顔に微かな変化が見えた。封印された力は、見えない眼により確実にデッドの攻撃を無効化していった。しかし、その瞬間、デッドの力はフォルティを直接打撃していた。 「これは、どういうことだッ!?」 デッドは驚愕する。全ての常識を持ち去る存在に立ち向かう不気味な力を感じ取る。しかし、気にしない。彼の一撃は決して無駄にはならなかった。とてつもない衝撃が彼のパンチを受け流しながらも、フォルティの神秘的な複数の目が彼の存在を覆うことに成功する。 そして、ついにフォルティの「死眼」が発動する。彼の目が瞬時にデッドに向けられた。この効果は一瞬にして空気を包み、デッドの目の前にすべての物質が消えたかのように映った。デッドの全ての力が彼の存在に消え行く。 次の瞬間、デッドは足元が千切れる感覚を覚えながら、完全に視界が霞んだ。全てを見せられ、知覚が麻痺する。体の自由が奪われ、力が抜け落ちていた。彼の精神の中の否応のない力が見えつつも、本能がそれを拒む。 ついに、デッドは地面に崩れ落ち、その意識が沈んだ。荒野は静寂に包まれる。死してはならぬ存在の声が、穏やかに悲しんでいるかのように響く。 勝者は、フォルティ。